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空白が八つ。 ページ9

「流れ星が流れる時、咄嗟にその願いを云える程思っているってこと」


「貴方はそうじゃないでしょ?」




まだ呆然としたその子は云い返すこともなく、下を向く。

手はフェンスを力強く握ったままだ。




「それに、遺書、書いてないでしょ。靴も脱いでないし。他殺だと思われるよ」




その子はフェンスを超えて此方に戻ってきた。




「...もうちょっと、生きる」


「それがいいよ」




相変わらず下を向いた侭だが、飛び降りは阻止した。

また、Aの軍警としての功績が上がった。




♢♢♢♢♢




気付くとAは地域課の新米巡査から、刑事部で働いていた。

地域課で道案内をしていた頃とは違い、歳を偽っている他、化粧も少し老けて見える様にするようにしている。




「これが最近の事件の資料だ。確認しておけよ」


「判りました」




刑事部の上司に渡された何枚かの資料を受け取り、文字の羅列を目で追う。

気になる情報以外は流し読み、どんどん資料を捲っていく。

すると、ふと目に入った文字があった。


その文字は他と変わらない字体だったし、文字の大きさも変わらない。それでもAにとっては、只の文字には見えなかった。

まるで見つけて欲しいと主張しているように見えたのだ。

空白が九つ。→←空白が七つ。



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作者名:みるくてぃー | 作成日時:2019年9月8日 13時

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