空白が二十四。 ページ25
「敦君、黒虎って知ってる?」
「...黒虎?なんですか、それ」
普段仕事をせずに入水しに行く太宰の顔がやけに真剣だった。
敦は不審に思ったが、仕事をするなら何故かはどうでもいいのだ。というか、太宰の考えることはいくら考えても判らないだろう。
聞きなれない単語を復唱するが、覚えはない。
「少人数の組織なんだけど、何の組織かが不明なんだよねえ...」
一枚の紙を見る太宰。ポートマフィアに捕まった時に持ってきたのだろうか。組合の情報も結局太宰が取ってきた。
「黒虎、ですか。僕と反対なんですね」
「そう、それなのだよ。何か関係してるのかと思って敦君に聞いたんだけど、知らないみたいだね」
敦は白虎。組織は黒虎。
全くの正反対。だからこそ、何か繋がっているのか。
「...真逆ね」
零した声は誰に聞かれることも無く消えた。
♢♢♢♢♢
「...此処に」
じゃり、と砂と靴が擦れる音がする。成る可く静かに歩いた心算だったが、この音は消せなかった。
「誰だ?」
「っ、」
建物に入ろうと足を踏み出すと、そこで背後から低い威嚇の声が聞こえた。
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作者名:みるくてぃー | 作成日時:2019年9月8日 13時