空白が十一。 ページ12
はっきりと聞こえるようにそう云うと、彼は少し沈黙して、それから此奴は何を云ってんのか判ってんのか?と云うような目をした。
それを感じ取ったAは、口に出される前に口を開く。
「判ってる。行けば殺されるかもしれない。...それでも、したことに就いてなら、後悔しない」
昔読んだ本にあった、好きな言葉。彼の目を見て云い切る。
すると彼は背を向け、「着いて来い」とだけ云った。
Aは一拍置いて、直ぐに後を駆け出した。
♢♢♢♢♢
「君が軍警の...」
「元、です。」
ポートマフィア首領にも怯まずに云い返すAはどう映っていただろうか。
本人にしか判らないことを、Aは気にし乍ら話していた。
返事がないことに焦りを感じながらも動じずに待つ。
すると少しの笑い声が大きな部屋に響いて、その後に「そうだったね」と優しい声色で云う森の姿があった。
「体術も戦略も、一般人よりはあると自負しています。...お願いします」
深く頭を下げる。目の前の気配が了承の言葉を云ってくれるまで。
どのくらい時間が経ったか判らないが、屹度体感時間が長いだけで直ぐだったと思う。彼は云った。
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作者名:みるくてぃー | 作成日時:2019年9月8日 13時