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30【オーガの。8】 ページ31

ご老人さんの視線を受けた赤髪のオーガさんは、一つ頷く。

すると今度は、キリリとした表情になったそのオーガさんが、姿勢を正しながら口を開いた。


青髪のオーガさんよりも、どこか明るい声色だった。

「先程は、盗み聞きなどという失礼なことをして申し訳ない。俺は、オーガの里の里長の息子だ。」


赤髪のオーガさんは私を見つめながら、自己紹介をする。

里長の息子。
オーガの里の中ではきっと、地位はとても高い方なのだろう。だって"里"の長の息子なのだし。
…その割には表情が豊かでいらっしゃるけれど。

まだ子供ということなのだろうか。
…その割には体付きが凄く逞しいのだけれど。
多分、青髪のオーガさんに負けず劣らず、というところだろう。

なんとなく感じる魔素の気配。
…もしや、見た目だけでなく、実力も互角なのではないだろうか。


《はい。青髪のオーガと赤髪のオーガは、得意能力に偏りはありますが、ほぼ互角です。》


ほう。さすがスキルさん。
相変わらずお仕事が早いことで。

ちなみに、私と比べたらどうなるの?私ってこのメンバーと戦ったら勝てるかな?


《いいえ。実力のみで戦闘を行えば、(マスター)はピィよりも劣ります。》


いやそれは聞きたくなかったよ!
ピィはこっち側なのに、私ピィにすら負けるのか!
期待してなかったけれどなんだか虚しいのは何故だろう…。


《…。》


…スキルさん、お願いだから黙るのはやめよう?


私が頭の中でスキルさんと話している時に、赤髪のオーガさんは、自分たちオーガについて説明をしてくれる。
まぁ、実はスキルさんがさっき大半説明してくれたから知っていたけれど。


軽く聞き流しつつ、状況を整理する。


赤髪のオーガさんは、先程までの警戒心はどこへやら。今は少し微笑をたたえている。
本当にわかりやすい人だな、この人。

ここまで気を許している、ということは。
先程のご老人さんとの会話、強いてはご老人さんの判断に寄って敵ではないと判断をしてくれたのだろう。

これは本当に嬉しい。
最初は卑怯だなんて言ったけれど、ナイス判断だったよ、二人を連れてきてくれてありがとう、青髪のオーガさん!


本当は必要はないけれど、私は感謝の視線を送るために、右隣にいる青髪のオーガさんをちらりと見上げた。

青髪のオーガさんは、赤髪のオーガさんを一瞥し、丁度ため息をついたところだ。

あれ?
…もしかして、呆れてるの?赤髪のオーガさんに?

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ミナ(プロフ) - 夢見る雀さん» ありがとうございます(´;ω;`)そう言っていただけるなんて感激です!頑張ります!!(´TωT`) (2019年10月14日 21時) (レス) id: 13cdda6338 (このIDを非表示/違反報告)
夢見る雀(プロフ) - この小説めちゃくちゃ好きです!更新頑張ってください! (2019年9月27日 5時) (レス) id: fa272da316 (このIDを非表示/違反報告)
ミナ(プロフ) - 3626 5503 63さん» ありがとうございます!(´;ω;`)ゆったり更新ですが、がんばります! (2019年8月21日 1時) (レス) id: 13cdda6338 (このIDを非表示/違反報告)
ミナ(プロフ) - かぐやさん» そうですよね!アニメ2期も楽しみです(*^^*) (2019年8月21日 1時) (レス) id: 13cdda6338 (このIDを非表示/違反報告)
3626 5503 63 - 更新大変かもしれないけど 頑張って下さい! (2019年8月13日 10時) (レス) id: 878066c85e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ミナ | 作成日時:2019年6月29日 0時

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