占ツクに宗教が出来上がったらしい(熄滅)

てんしへ 1 ページ20

その翌日、土曜日。
あれからの占ツクやスレでは、私の証言者に伴って騒動を批判する勢力が予想以上に増加したことにより、何の懸念すらも必要なしに騒ぎは鎮火を辿っていた。

そうして盛り返してきたのはてんしさんへの批判。

「パクリ騒動は偶然だったのでは？」「証拠がないんだから犯人を決めつけるべきではない」「終わった騒動を盛り返すな」−−といった意見によりパクリ騒動が落ち着いてくるに反比例して、ユーザー達の視線は当初の騒ぎの元だったてんしさんに振り返っていく。

閲覧者Aさんは荒んだスレにて反論を繰り返していた。てんしさんの動きはない。

あの２人は私に謝罪を要求していた。しかし思いがけずパクリ騒動の火が弱まってしまった今、行き詰まったも同然なのではないか？

−−私はどうするべきなのだろう。

落ち着きつつあるとはいえ、パクリ騒動は完全に終わったわけではない。それにてんしさん自身も……。

もう1度、彼女らと話し合いが出来るだろうか？でもその時、何を言うべき……？

途切れないざわめきから耳を塞ぎたくなった。私が願うのは、全ての騒動の集結。決して、てんしさん−−女子Cちゃんが永遠に元凶として中心に立ち続けることではない。

僅かに残る私自身への批判や中傷など、もう気にもかからなくなるほどに私は悩んだ。呟きノートに心境を綴ってみても、なんの解決にもならない。

そのまま占ツクに出入りしては、時々スレを覗くことを繰り返し−−その夕方頃のことだった。

私はため息を繰り返しながらマウスを遊ばせ、頭に入りもしないのに適当な小説を読んで時間を浪費していた。

そのうち、ふとマイページに飛んでみた。すると「お気に入り作者の新作」の欄に、新しいものが浮上している。

私はそのタイトルを左から右へ、そして目が覚めるような衝撃に叫んだ。

「作者Aさん！？」

その新作の作者は、作者Aさん。
そしてそれはホムペではなく、小説ツクールのものだった。タイトルは−−


・


『てんしさんへ！！(批判ではない！！！)』


・

てんしへ　２→←そのころ19

どうでもいい裏設定

後輩Aは可愛い。でも性格がきつめ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す