第33話 ページ35
｢いち兄！！！｣
薬研さんの声で目が覚めた。
同時に、ぽたりと何かが頬に垂れた。
｢……え、？｣
頭上で、誰かがお腹に刀を突き刺している。
その誰かは、膝から崩れ落ちた。
｢いち兄！！おい、いち兄！！！しっかりしろ！！！｣
薬研さんが駆け寄ってきて、彼の上半身を起こす。
私も飛び起きて、彼の身体を見る。
血の量がすごい。どんどん服に血が滲んでいく。
このままじゃ、このままじゃ…………
｢っこんのすけぇ！！！｣
｢お呼びですか……ってうわああああ！？何事ですか！？！？｣
｢いいから！！手入れの仕方、教えて早く！！！｣
｢わ、わかりました！とりあえず一期一振さんを手入れ部屋へ！！｣
｢ど、どうやって運べと！？｣
私に運ぶ力はないし、多分今の薬研さんじゃ無理だよ、冷静じゃないから！
｢と、とりあえず、粟田口以外の男士を探してきてください！！！｣
｢わ、わかったっ……！｣
早く、早くしないと。
そう思って立ち上がろうとした時、薬研さんに腕を掴まれた。
｢大丈夫だ大将……運べる｣
｢や、薬研さん……！｣
｢なら、急ぎましょう！あぁでもあまり身体は揺らさないように……！！｣
｢無茶言うな！！｣
手入れ部屋へと移動しながら、こんのすけが私に声をかけた。
｢主様は移動中、一期一振さんに霊力を注ぎ続けてください！！｣
｢どっ、どうやって！？｣
｢手をかざして、なんか、こう……気を注ぐ感じで……！！！｣
｢分かりにくっ！？｣
｢主様なら出来ますよ器用だし！！！｣
そんなこと言われましても！？！？
両手をかざして、自分の気を注ぐ感じ…………
｢そうですそうです出来てますよ主様！！！｣
｢ほんと！？｣
｢集中してください霊力が途切れる！！！｣
んな理不尽な！！！！！！
手入れ部屋の布団に一期一振さんを寝かせる。
｢薬研さん、このお腹に突き刺さった刀抜いてください！主様の力じゃ抜けません！！｣
｢……！あぁ、わかった｣
｢ぬ、抜いて大丈夫なの、血ぶしゃってならないの……！？！？｣
｢なります！｣
｢なるの！？｣
｢なので主様は急いで御札の準備をしてください！！できるだけ沢山！！！
それで、御札にめいっぱい主様の霊力を込めてください！！！｣
｢は、はい！！｣
なんで御札なのかはよく分からないけど、今はそんなことを考えている場合じゃない。
棚から御札をたくさん出して、思いっきり霊力を込めた。
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雪 - とても良かったです( ´艸｀)続きが気になります(´ｰ｀) (2020年12月26日 21時) (
レス) id: ed2686deb5 (このIDを非表示/違反報告)
花梨(プロフ) - 雪乃さん» ありがとうございます！更新頑張りますね！ (2020年12月22日 21時) (レス) id: ca517f1ee4 (このIDを非表示/違反報告)
雪乃 - このお話めっちゃ好きです！続き楽しみにしてます！ (2020年12月22日 16時) (レス) id: 04eef4e4b1 (このIDを非表示/違反報告)
花梨(プロフ) - イッヌの毛さん» ありがとうございます！伸びるように祈っててください！w (2020年11月20日 23時) (レス) id: ca517f1ee4 (このIDを非表示/違反報告)
イッヌの毛 - 面白い！絶対伸びる！ (2020年11月20日 20時) (レス) id: e2d97a71dd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らび | 作者ホームページ：
作成日時：2020年10月18日 23時
