〃 ページ11
帰宅し、端末の通知を見れば通知が2件。
片方は先程までカフェで時間を共にした友人で、またあそぼーね！といった内容だった。
もう1件を見れば、話の元であるゾムさんからで、これから帰るけどなんかいるもんある？といった内容だ。
それだけで、きゅう、と胸が苦しくなる。同棲を初めてから結構な時間が過ぎたにも関わらずこういった連絡をすることに慣れず、画面を見つめたまま口角が上がるのを抑えられずに頬が熱くなった。
がちゃっ、と鍵を開ける音がしてゾムさんが帰ってきたんだな。と思いながら赤くなりそうな両頬をぱちんと軽く叩き気合を入れる。
パタパタとスリッパの音を立てながら駆け寄れば、緑色のフードを深く被った怪しげな風貌の男性。
｢ゾムさん！おかえりなさい！｣
｢おん、ただいま｣
手の届く距離まで近づけば、ゾムさんは嬉しそうに破顔してぽすっと軽く頭を撫でられる。
きゅん。
あぁ、またずるい。
いや、でも今日の私は一味違う！
身長差があるため玄関の段差があってもまだ少し遠い彼の顔に届くように背伸びをして、フードを掴んで思いっきり引っ張る。
｢おわっ？！｣
｢んうっ｣
すっぽりとフードの中に顔を入れて唇を合わせる。
思っていたより近くて、フードの中はゾムさんの匂いでいっぱいで、視界が緑とゾムさんでいっぱいになる。目を見開いたゾムさんは貴重だ。
あぁ、上手くいった！
すっ、と体を引こうとすればゾムさんの手が頭に添えられた。
｢へ？｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 154人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まつりか(プロフ) - めっちゃ好きです…獣人zmさんの話と昇降口のshaさんの話が特に好きです!!言葉選びのセンスと知識に圧倒されるみたいな気分で読んでました…無理のない範囲で更新があることを心待ちにしてます! (2021年9月19日 17時) (
レス) id: cead0b39db (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
