捜索63日目 ページ17
「ん....」
頭が痛くて目が覚めた
「起きたか、調子はどうだ?」
「え、何で成瀬がいるの?」
「覚えてないのか?」
「うん、曖昧で....」
「昨日如月が倒れそうになってた所を俺が見つけて、家まで運んだんだ」
「そうだったんだ」
「それに心配だったから泊まった」
「ごめんね、今日仕事だろうに....」
「今日は仕事休み」
「そうだったんだ、それでも申し訳ない....」
「如月も」
「へ?」
「藍染に連絡して有給使ってもらった、今日と明日休みだ」
「沙良....」
「それと台所使わせてもらった」
「全然構わないよ」
なんだかじんわり後頭部が冷たいことに気づいた
「氷枕?」
「おでこ怪我してるから氷枕にした」
「ごめんね、気を使わせちゃって」
凄く申し訳ない
「昨日の朝、一緒にいたのに体調の変化に気づけない俺が悪いんだ....」
「き、気にしないでいいよ!自分が体調の管理を怠ったからだよ....」
少し唇を噛んだ
「如月さ、お兄さんのことで溜め込んでるだろ」
「え?」
「藍染から少し聞いた、昨日お兄さんが見つかったらしいな」
「......うん、そうなの」
「何かあったのか?」
「......」
私は思い出しただけで涙が出てきた
「悪い、泣いたら熱上がるから泣かないでくれ」
成瀬は指のはらで涙を拭ってくれた
「ごめ、お兄ちゃんのこと話すね....」
私は昨日あったことを全て成瀬に話した
「そうか、不倫....」
「まだ確定じゃないけど、黒に近いと思うの....」
「お兄さんって警察だよな?」
「うん」
「それに、部署知らないんだろ?」
「うん」
「それならさ、知り合いにそういう人がいたんだけど、その人潜入捜査してて」
「潜入捜査?」
「あぁ、極秘で潜入して捜査すること、男だったら同僚の女の人とペアで潜入すると思うんだ」
「そんな....」
「潜入のために一緒にいた可能性はあるかもしれないだろ?」
「うん....」
成瀬が言うことが全て正しい気がしてきた
今までだってどこかに潜入しているかもしれないって考えが脳裏にあった
でも、いざ再開すれば考えが消えてしまっていた
「部署も言えなくて家族にも内緒、潜入してるところが大きいところとか?」
「......」
「それでもあくまで想像だ、不倫の可能性だってある」
「そう、だね」
不倫より成瀬の考えの方が正しいと思う
自分が馬鹿らしくなってきた
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作者名:伊東と田中 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Miku0417Mi1/
作成日時:2019年10月8日 18時