行方不明の兄を探します。

捜索３８日目 ページ39

「ふぅ」

私は毎日成瀬に告白しよう！ってことで頭がいっぱいだった

でも仕事はきちんとこなす

私情は仕事に関係ないからね

「A〜、もう無理！」

「また言ってるの？まだ１週間だよ？」

「今日飲みに付き合って！もう耐えられないよ〜」

「はいはい、宮本さんもそう思ってるとけど我慢してるはずだよ？」

「そうだけど〜」

沙良は宮本さんが出張でいなくなって三日で音を上げていた

それを慰めて待たせるのは苦労する

宮本さんもこれから大変そうだな

「でもいく前にキスしてもらったんでしょ？それで頑張りなよ」

「でも〜」

唇を尖がらせて拗ねている沙良

こんな沙良を見るのはあまりないから新鮮だ

「Aは？成瀬のこと考えるの？」

「考えてるけどいざって時の勇気を今、溜めてるの」

「そんなの気合でいっちゃえ！」

「それは無理....」

いつもの沙良とまったく違う

「ちょっと休憩してきたら？沙良の仕事少し進めておいてあげるし」

「うん、頭冷やしてくる」

沙良は棒つきキャンディーを持っていった

頭を冷やす時、これを舐めてると心が落ち着くらしい

「(持ってるところ、久しぶりに見たな)」

ここ数年棒つきキャンディーを持っている所を見ていなかった

「(宮本さんのこと、大好きなんだな)」

雰囲気からも伝わってくる

「(私も頑張らないと)」

でもまだ勇気が出ない

過去に囚われているせいなんだろう

振られれば話せない

振られれば顔を合わせられない

振られれば....

ネガティブなことばかり考えてしまう

「駄目だ、ポジティブにいかないと」

私は頬を叩き、仕事を再開した

「.....」

「如月先輩、ちょっといいですか？」

「どうしたの？笹野」

「ここなんですが、今先輩は出ているので相談に来ました」

「えっと、ここはね....」

笹野の指導係の今本は今出ている

だから私に聞きにきたのだろう

「ありがとうございます」

「ううん、今本がいないときはいつでも頼ってね」

「はい」

笹野は総務部で一番しただからちょっと面倒くさい仕事も回ってくる

その仕事で対処力や仕上げの速さが見られるのだ

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