【ONE PIECE】竜の子2【トラファルガー・ロー】 (ページ2)

今日:3 hit、昨日:2 hit、合計:6,786 hit

【番外】船長の誕生日① ページ2

「せーの」

「「ハッピーバースデー！！」」

船内にパンッ！パァン！！とクラッカーが鳴る音が響き渡る。

今日は船長の誕生日。
その単語なら私も少しは知っている。
確か、生まれたことを祝福する日だったはずだ。

「お前ら……回りくどい真似しやがって」

突然のサプライズにも動じず、船長は呆れた顔で溜息をつく。しかし声色からは嬉しさが滲み出ており、内心喜んでいるのがバレバレだ。

「キャプテン、こうでもしないと祝わせてくれなさそうだしな」
「そうですよ！それに、俺達だって祝いたかったんですからね！」
「まぁ、そういうことだ。素直に受け取ってくれよ、キャプテン」
クルー達は各自で選んだプレゼントを次々と船長に手渡していく。私はその様子を端から眺めていた。

(……どうしよう)
装飾品、高級なブランデー、医学書。
開封された品はきらびやかな物ばかりだ。
私も贈るものを用意していたが、彼らのと比べるとどうしても見劣りしてしまう。

(これはいっそ渡さない方がマシだな……)

そう思って紙袋を背中に隠そうとしたその時、自分を捉える一つの視線に気づく。

(あっ)
船長だった。

「……」

何かを言うわけでもなく、睨みつけるでもなく。ただいつもの眼差しで、彼はじっと此方を見つめていた。

そんな船長から目を逸らすこともできず。
かと言って逃げ出すことも出来ず。
気が付くと私は彼の前に立っていた。