満月の夜の集会所【2j3j】 (ページ7)

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…そこには恐る恐る身を縮ませて立っているAがいた。

慌てて振り返ると、瞳孔を開ききって固まっている剣持がいる。

…やってしまった。
しかもまだ剣持が来て2分も経っていない。
あまりにも早すぎるその邂逅に驚いているのは…いや、驚いていない生き物はここにひとりとして居なかった。

『ぁ…っ』

涙目で小さく声を漏らしたAは、己の失態に気づき慌てて部屋へ戻ってしまった。
それもそのはず、今まで何度も集会の日は外に出てはいけないと言い聞かされていたのに破ってしまったからだ。

しかしAが悪い訳では無いので責めようがない。どうしようかと頭をフル回転させる転んだ体制のままのカザキの頭上から、声が降ってきた。

剣「…今のは？」

上を見ると、ニヤニヤ…と言うには目が笑っていない。そんな表情で質問を投げてくる剣持がいた。

カ「…妹、だけど…。」

剣「…へぇ？覚えている限りでは、ひとり暮らしをしている、と言っていましたよね？」

カ「…あははぁ…」

私が何をしたというのだ。
誰か助けてくれ。

…コンコン。

剣「…」

カ「…」

きっとザレンさんだ。
ひとまず迎えに行って空気を和ませよう。

カ「かたなさん、席に座っててよね！」

剣「…」

返事が無く不安だが、Aの居る部屋は分からないだろう。そう信じて玄関へ向かった。