結晶が七つ ページ9
『ん、ぅ…』
ちゅんちゅんと外から鳥の声がした気がして、私はゆっくりと目を開けた。どうやらぐっすり寝すぎてそのまま朝になったらしい。
『…窮屈。』
昨日シャツに翼も押し込めたまま寝ていたので、伸ばせなくてもどかしい。今は誰もいないし、少しくらい大丈夫だろうとシャツを脱いで上半身裸になり、胸は隠しながらバサッと翼を伸ばした。
『うーん…はぁ』
窓から差し込む太陽の光が翼の結晶に反射してシーツにゆらゆらとした光を当てる。しばらくパタパタと羽を動かしたり伸ばしたりして、そろそろシャツを着ようと思っていた時だった。
Tn「おはようA。よく眠れ…あ。」
『あ』
部屋の扉が開いたかと思うとなんとトントンさんが入ってきたのだ。すると、
Tn「あっ、わっ、ご、ごごごめんっ！！！」
『あっ…』
顔を真っ赤にして扉を勢いよく閉めて行ってしまった。…悪いことしたな。私は施設で体を見られるなんてことはざらだったから慣れているけれど、あの人は多分…見たことがないんだろな。私はシャツを着直すと生えてる結晶でシーツを破かないようベッドから降りて部屋から出た。すると、出て直ぐに未だに顔が赤いトントンさんが立っていた。
Tn「…すまん。ちゃんとノックするべきやったな。もしかしたらまだ寝てると思って…」
『昨日夕飯逃すくらい寝ちゃってたらしいですね私。あと、先程はすいませんでした。大丈夫ですか？』
Tn「お、おん…だいじょおぶ…」
赤いマフラーに顔を埋めながらトントンさんは頷く。
Tn「ま、まぁそれは置いといてやな…朝食やから呼びに来た。おいで。」
そう言われてついて行くと、昨日みんなが集まっていた大部屋のテーブルに、多くの色んな食事が並べられていた。私はトントンさんとグルッペンさんの間に座らせられ、合図とともに食べ始める。…とはいえ、どれから手を出していいのか分からない。
Tn「どれから食う？取るで。」
『あ、えと…まず水飲んでもいいですか。』
Tn「じゃあコップ貸してくれ。」
渡そうとするとつい力加減を謝って、ぱきっとコップにヒビを入ってしまう。そしてぴしぴしとヒビが広がり、割れた。
『あっ…！』
Tn「おわっ！？」
『ご、ごめんなさい…』
謝りながら私は散らかったコップのガラスを拾う。
『ごめんなさい、私…』
Tn「ううん大丈夫や。気にせんでええよ。」
『…私力が強くて、時々力加減を謝って物を壊すことがあるんです。…ドラゴンなので。』
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すみれいん(プロフ) - きゅるきゅる、ウルル…ここめちゃくちゃ好きです。 (2020年12月8日 23時) (
レス) id: a715f4eb82 (このIDを非表示/違反報告)
×(プロフ) - こんなに面白い作品が読めてうれしいです！応援してますヽ(^o^)丿 (2020年11月29日 12時) (レス) id: 2c8e323fdc (このIDを非表示/違反報告)
(´ー｀*)ｳﾝｳﾝ - 好きです。(唐突)頑張ってください。 (2020年11月25日 14時) (レス) id: 79aefbbb5a (このIDを非表示/違反報告)
ラリー - 面白いんじゃあ...続きが気になって死んでまう...(訳:この作品とても好みで面白いです!更新頑張って下さい!) (2020年11月24日 22時) (レス) id: 4e3832928c (このIDを非表示/違反報告)
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