結晶が五つ ページ7
そこからは話すまでもない。ある程度まで育った私はあの競りに出された。案の定高値で売られたわけだ。
Sn「へぇ〜…実験…ねぇ？」
『…あの？』
Sn「そーかそーか誰もが知ってる暗黙の了解を破ってそんなことしてる団体がいるんだ…しかもこんな子を？商品扱い？」
私でも分かった。明らかに怒っている。恐らく実験体とされた私を…共にそこで育っていたほかの人たちも、1歩間違えば凄惨な運命を辿るから。
Sn「…なるほどね。こうなるとやっぱりやるしかないかな。」
『…何を、ですか。』
Sn「ん？君は気にしなくてええよぉ」
面越しににっこりと笑いかけてるのが分かって、さすがの私でもこれ以上追求するはよそうと考えた。
Sn「ま、しんみりした話は置いといて！ちょっと個人的に気になることあるんだけどいいかな？」
『どうぞ。』
Sn「よく異種族たちは不思議な力を持ってることが多々でしょ？火を噴いたり、氷を出したり。となればAちゃんも何かできたりするのかなって。」
『あぁ…』
そういうことならもう"実験済"だ。私は手をかざすとパキパキと結晶を生み出した。それをまるで宝石のような形になるように、思い描きながら生成する。
Sn「へぇ…凄く、綺麗だ。人を感動させることができる、いい力。」
『ありがとうございます。こうやって細工したのも作り出せますけど、大きな結晶を生み出して盾にすることもできるんですよ。』
Sn「…それもまた実験で？」
『はい。ドラゴンは異種族の中でも最強と名高い部類なので、どれだけの力があるのかを。』
Sn「ふぅん…」
作り出した結晶をまじまじと見ながらペ神…はギィと椅子を鳴らした。
『…良かったら、差し上げますよそれ。』
Sn「いいの？」
『体力のある限り幾らでも作れるので。』
Sn「なるほどね。ありがと、飾っとくよ。」
そう言ってデスクにことりと置いた。
Sn「よし、じゃあ今日はもうお休み。君もあんな競売場で精神参ってるだろうし、夕飯まで寝てな？」
『いいんですか。』
Sn「もちろん。部屋もあるから案内するよ。」
ついて行くと、整頓された部屋へと案内された。
Sn「また後でね。」
『は、はい。』
そんなやり取りをして別れると、私はそっとその白いシーツがかかったダブルベッドに横たわった。すべすべしてて、気持ちいい。何より…
『…薬品の匂いがしない。』
無臭がここまでいいものだとは知らなかった。やがて眠くなって、私はそのまま寝落ちた。
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すみれいん(プロフ) - きゅるきゅる、ウルル…ここめちゃくちゃ好きです。 (2020年12月8日 23時) (
レス) id: a715f4eb82 (このIDを非表示/違反報告)
×(プロフ) - こんなに面白い作品が読めてうれしいです！応援してますヽ(^o^)丿 (2020年11月29日 12時) (レス) id: 2c8e323fdc (このIDを非表示/違反報告)
(´ー｀*)ｳﾝｳﾝ - 好きです。(唐突)頑張ってください。 (2020年11月25日 14時) (レス) id: 79aefbbb5a (このIDを非表示/違反報告)
ラリー - 面白いんじゃあ...続きが気になって死んでまう...(訳:この作品とても好みで面白いです!更新頑張って下さい!) (2020年11月24日 22時) (レス) id: 4e3832928c (このIDを非表示/違反報告)
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