結晶が四十五つ ページ47
サァァァァ………
今日は雨。しかも朝から降り続いていて、私は少し憂鬱とした気分になっていた。
Em「外…止みませんね。しかも雲行きを見ると今夜は雷がなるかもしれません。」
『！』
雷。ビリビリして、人をも殺せる天災。…しまった。嫌なものを思い出してしまった。
Em「Aさん？顔色悪いですが大丈夫ですか？」
『…すいません。少し、思い出してしまって。』
Em「…そうですか。私は深くは聞きません。それと勉強の方も今日はこれでお開きにしますか。」
『え、でもまだ1時間しか…』
Em「雷の話題を振ってしまったのは私なので。今日はお休み下さい。」
『…ありがとうございます。』
どうやら気を使わせてしまったようで、私は申し訳なく思いながらもその厚意を受け取ることにした。部屋に戻る途中、廊下でショッピさんと出会った。
『あ…』
Shp「あ、Aやん。今日はエミさんとこで勉強やなかったの？」
『少し、気分悪くて。それを見てエーミールさんが1時間でやめてくれました。』
Shp「そうなん？大丈夫？」
『大丈夫ですよ。』
Shp「そか。無理せんでな。」
『はい。』
トントンさんとグルッペンさんが私に特別優しいのは置いといて、それ以外の皆さんの中ではショッピさんとオスマンさんが私にかなりよくしてくれている。一緒にご飯食べたりだとか、色んなことを教えてくれたりだとか、正直にとても可愛がってくれている。1回なぜそんなにも私に構ってくれるのか聞いてみたら、
Os「だって可愛い妹できたみたいなんやもん！可愛がりたいもんなぁ！」
Shp「年下は可愛いもんっす。」
…だそう。私も施設の子たちとは仲良かったものの、兄弟なんて意識したことは無かったから、なんだか嬉しかった。最近試しに『お兄ちゃん』って呼んだらすごく喜ばれたのは記憶に新しい。
『部屋…ついた。』
私は部屋に着くとそのままぽすんとベッドにうつ伏せに寝転ぶ。翼をぱたぱたと動かし、尻尾もゆらゆらと揺らす。
『んむぅ…ねむ…』
意識がだんだんぽわぽわとしてきて、私は眠気に誘われる。夕飯までなら…寝てもいいかな…そしたら、
ボタボタボタっ！
『っ！あ、雨…強くなった…』
この建物に当たり弾かれる雨音が大きくなった。つまり雨が強くなったのだ。となれば…やはり激しい天気なのは本当だろう。
『…かみなり、嫌だ…なぁ…』
びりびり
パチパチ
ゴロゴロ
…死んだあの子の、音だったから。
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すみれいん(プロフ) - きゅるきゅる、ウルル…ここめちゃくちゃ好きです。 (2020年12月8日 23時) (
レス) id: a715f4eb82 (このIDを非表示/違反報告)
×(プロフ) - こんなに面白い作品が読めてうれしいです！応援してますヽ(^o^)丿 (2020年11月29日 12時) (レス) id: 2c8e323fdc (このIDを非表示/違反報告)
(´ー｀*)ｳﾝｳﾝ - 好きです。(唐突)頑張ってください。 (2020年11月25日 14時) (レス) id: 79aefbbb5a (このIDを非表示/違反報告)
ラリー - 面白いんじゃあ...続きが気になって死んでまう...(訳:この作品とても好みで面白いです!更新頑張って下さい!) (2020年11月24日 22時) (レス) id: 4e3832928c (このIDを非表示/違反報告)
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