結晶が四十二つ ページ44
次の私の言葉を待つように3人して私をじぃっと見つめてくる。私はなるべく知っていることを、ゆっくり話し始めた。
『…私がいた施設では、一から私たちのようなハーフの子供を作って、育てていたんです。どのような形で一から作っていたかまでは私は知りません。でも、私はまだ赤ん坊に満たない生物が、何体も円柱の培養槽に浮かんでるのを見ました。恐らく、あれがゾムさんの言うお腹の中…すなわち母体と同じ役割を、していたんだと思います。』
Zm「なん…やそれ…」
3人は愕然としている。余程ショックだったのだろう。
Gr「人工的に作られたとはそういうことか…昔から異種族との関わりで科学も昔より爆発的に進歩している。人を、生き物を、細胞レベルで細工するのも、わけないということか。」
Rb「じゃ、じゃあAも…」
『…私も、物心着いて初めて見たのは…液体の泡とそれ越しに見る施設の人達の白衣と真っ白な部屋です。』
ごぽごぽと周りに響く泡の音。すぐ近くで鳴る機械音。自分に繋がれた無数の管。あの時私は…まだ5歳くらいだったろうか。
『だから、生まれてこの方空なんて見たことないんです。だって生まれてから真っ白な牢獄の中だったから。』
少し前にトントンさんに外に連れ出されたが、あの時の真っ青な空の輝かしさは忘れられない。…結局あの後はゆっくり見れずに襲われてしまったが。
Gr「…聞いてすまなかった。」
『いえ…昔のことなんてほとんど覚えてないですし。』
Gr「そうか。これ以上は俺も何も聞かない。お前には普通に暮らして欲しいしな。」
『…ありがとうございます。』
Gr「うむ。…にしてもお前も中々に凄惨なところで育ったな…その高度な科学技術には興味があるが。」
まじまじと私の顔を覗き込むグルッぺンさん。なんだか顔が近くて私は目を逸らしてしまう。
Gr「ん？どうした？」
『あの、ち、ちかい、です…』
Gr「…ほお？」
するとグルッぺンさんは味をしめたかのような笑みを浮かべ、さらに顔を近づけてきた。
Gr「前はこの距離でもなんも言わなかったのに…何があったんだろうなぁ？」
『あう、えと、ぅ…』
か、確信犯だこの人…絶対分かってやってる。意地悪だ。私が思わず助けを求めようとちらりと目をゾムさんたちに向けるが、
Zm「あ、俺らは部屋出とくな！」
Rb「ごゆっくり〜」
『んにゃっ！？』
あっさりと裏切られあっという間に2人きりの空間になってしまった。
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すみれいん(プロフ) - きゅるきゅる、ウルル…ここめちゃくちゃ好きです。 (2020年12月8日 23時) (
レス) id: a715f4eb82 (このIDを非表示/違反報告)
×(プロフ) - こんなに面白い作品が読めてうれしいです！応援してますヽ(^o^)丿 (2020年11月29日 12時) (レス) id: 2c8e323fdc (このIDを非表示/違反報告)
(´ー｀*)ｳﾝｳﾝ - 好きです。(唐突)頑張ってください。 (2020年11月25日 14時) (レス) id: 79aefbbb5a (このIDを非表示/違反報告)
ラリー - 面白いんじゃあ...続きが気になって死んでまう...(訳:この作品とても好みで面白いです!更新頑張って下さい!) (2020年11月24日 22時) (レス) id: 4e3832928c (このIDを非表示/違反報告)
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