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結晶が三十八つ ページ40

抱きしめられたことで分かるトントンさんの体温とその気持ち。あったかくて、ほわほわして、心臓が…きゅうきゅうする。


『(なんだか…似てる?)』


グルッペンさんにキスされたあの時と。あの時はものすっごくどきどきしたけど、こっちは締め付けるような感じ。嫌ではなくて、むしろなんだか嬉しいの。グルッペンさんの時も心臓がどうにかなりそうではあったけど、心地悪いとかじゃ、なかった。


Tn「困ったことあったらいつでも俺らを頼るんやで。知りたいこともなるべく教えるから。無理に自分を変えようとせんで、少しずつ慣れていってや。…な?」


一旦私から体を離して、まるで割れ物を扱うかのように私の頬を撫でる。ゴツゴツした男の人らしい手の感触と、濃いレッドの瞳の輝きは私の心にさらなる動揺をもたらすには十分だった。


『あ、ひゃ、う…?』


まただ。また心臓がどくどくして、熱い血が体を巡る。


Tn「…なんか暑くなってへん?熱ある?」

『あ、んぅう…えと、っ!』

Tn「わっ!」


私は咄嗟に翼を自分の目の前に持ってきて顔を隠した。つまりトントンさんと私の間に翼が割って入った形になる。


『ご、ごめんなさい、今凄く変な顔してて、顔熱くて、ごめんなさい…』

Tn「…あ、なんか…すまん。具合悪いとかではない?」

『それは大丈夫です…でも…今はなにも…』

Tn「…そっか。本調子やないならまだ寝てな?初めてであんなことあった訳やし、落ち着かんとな。」

『ふぁい…』


つい変な返事をしてしまった私に優しく言うと、そのまま部屋を出ていった。


『なに、なんなの、本当に…』


私が知らないこの感情は。苦しいのに嬉しい。心臓が爆発しそうなのに心地よい。まるで体の反応とは正反対の気持ちに、疑問は湧くばかりだった。

………


Tn「はぁ…とりあえず怪我もなくて良かったわ…」


俺の安易な行動のせいで危険に合わせてしまった。グルさんからも軽く注意を受けてしまったし、俺らしくないなぁ…でも…


Tn「顔、真っ赤やったなぁ…」


あんな顔するなんて。いつもなら前の境遇のせいかどこか儚げで寂しくて、顔色変えないのがほとんどなのに。真っ白な肌を真っ赤に染めてたどたどしく受け答えするAに、心底愛おしさを感じてしまった。


Tn「守って…やらな…」


強いのに、弱い。矛盾したようなあの子を、守らねば。そしていつか教えてあげたい。人を愛することがどんなに素敵で嬉しいものかを。

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すみれいん(プロフ) - きゅるきゅる、ウルル…ここめちゃくちゃ好きです。 (2020年12月8日 23時) (レス) id: a715f4eb82 (このIDを非表示/違反報告)
×(プロフ) - こんなに面白い作品が読めてうれしいです!応援してますヽ(^o^)丿 (2020年11月29日 12時) (レス) id: 2c8e323fdc (このIDを非表示/違反報告)
(´ー`*)ウンウン - 好きです。(唐突)頑張ってください。 (2020年11月25日 14時) (レス) id: 79aefbbb5a (このIDを非表示/違反報告)
ラリー - 面白いんじゃあ...続きが気になって死んでまう...(訳:この作品とても好みで面白いです!更新頑張って下さい!) (2020年11月24日 22時) (レス) id: 4e3832928c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ノア | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年11月24日 18時

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