結晶が三十六つ ページ38
すると気がついたかのように男の人は笑った。
「もしかしてお前、主人のところから逃げてきたのか！小洒落たチョーカーを付けていたのも首輪の代わりだな？可哀想になぁ…逃げてきたのにまた売られる羽目になるなんて！」
売る。私を？またあの薄暗い牢獄に戻るの？
「なるほど！ならばその主人とやらが来る前にトンズラしようぜ〜♪あ、でも個人的にこいつの体の仕組みとか見てみてぇな！」
「お、いいなそれ。ドラゴンの獣人…ましてやメスなんてそうそう見ないからな。孔とかどうなってるんだろうな？」
「趣味悪いわねぇ…それならあんたたちの体液で汚れる前にこの子の結晶大きいのひとつもぎ取ってちょうだいよ。」
「OKOK！じゃあ縛り付けて運ぼうぜ！」
そう言うと男たちが私の手や足に触れて縄で縛ろうとする。
『やっ…だぁ…！』
「おーおー暴れんな。」
「もっかい睡眠薬撃つか？」
「そうするか。」
『っや…！たす、けてっ…！とん、さ…』
薬のせいでまともに抵抗も出来ず、力も入らず、苦手な注射器を目の前に出されて私は出せる大きさの声で助けを呼んだ。
「こんな路地裏誰も来やしないって！ほーら怖くな、」
バキッ！
「うぐぁっ…！？」
『ぁ…』
突然その注射器を構えた男が自分の上から退けたと思ったら、そこにはまるで鬼のような目をしたトントンさんがいた。
Tn「はぐれたAを探しててなーんか路地裏から呻き声するかと思ったら…お前ら、うちの子に何してんねや？？」
「な、なんだこいつ…！」
Tn「俺は質問してるんやけど。この子に、何を、しようとした？」
「ひぃっ…！」
Tn「それとお前。」
「きゃっ！」
トントンさんは女の人の胸ぐらを掴むと、強引にチョーカーを外して取り戻す。
Tn「これAのやんな？なんでお前が付けとるん。もしかしてやけど…この子にあれこれやったあと売るつもり…やったとか？」
「そ、それは…ぐっ、逃げるぞ！」
図星をつかれたうえにトントンさんの気迫に危機感を感じたのか男たちと女の人はさっさとその場を離れていってしまった。
Tn「…A、見失ってすまんかった。怪我はないか？」
『あ、う、うぅ〜〜……！』
…助かった。私はぽろぽろと涙を流してトントンさんに寄りかかる。…怖かった。また売られて、今度こそ心無い金持ちに売られる人生を歩むかと思った。そして安堵した途端、私は睡眠薬のせいかことりとその場で意識を失ってしまった。
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すみれいん(プロフ) - きゅるきゅる、ウルル…ここめちゃくちゃ好きです。 (2020年12月8日 23時) (
レス) id: a715f4eb82 (このIDを非表示/違反報告)
×(プロフ) - こんなに面白い作品が読めてうれしいです！応援してますヽ(^o^)丿 (2020年11月29日 12時) (レス) id: 2c8e323fdc (このIDを非表示/違反報告)
(´ー｀*)ｳﾝｳﾝ - 好きです。(唐突)頑張ってください。 (2020年11月25日 14時) (レス) id: 79aefbbb5a (このIDを非表示/違反報告)
ラリー - 面白いんじゃあ...続きが気になって死んでまう...(訳:この作品とても好みで面白いです!更新頑張って下さい!) (2020年11月24日 22時) (レス) id: 4e3832928c (このIDを非表示/違反報告)
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