結晶が三十五つ ページ37
そこから私はトントンさんの後ろをついて行き、その公園とやらに向かう。だが、思った以上の人混みに巻き込まれてしまった。
『あぅ…』
Tn「くそ、人多いな…Aいるか？」
『は、はい…』
トントンさんと違って私には尻尾も翼もあるため人に当たってしまう。最初はトントンさんにしっかりついていけてたものの、徐々に距離を離されて私は咄嗟に脇道に逸れた。
『…せ、狭かった…』
出たのは薄暗い路地裏。ところどころゴミとか落ちていて、なんだか不安になる雰囲気だ。
『しまった…トントンさんとはぐれた。路地裏抜けたら飛んで探すしか…』
あの人混みを無闇矢鱈に歩いて探すよりかは自分の力で飛んで上から探した方が楽だろう。トントンさんは赤いマフラーも付けているし、目安はあるはずだ。
『早くここから出よう。』
そう思って歩を進めた時、
カツン、
『え？』
何かが私の体に当たった音がして、足元を見ると針が落ちていた。恐らく私の結晶に当たって落ちたのだろう。一体どこからと思っていたら、次はぷすっと足の肌が晒されてるところに何か刺さった。
『っう…？』
その途端ぐらりと視界が揺れ、私は壁に手を着く。なにこれ、頭がふわふわする。そして私はついに足に力が入らなくなって地面に倒れた。必死に起き上がろうと腕に力を入れていたところに、誰か来た。
「おいおい睡眠薬撃ったのにまだ意識あるぞ？」
「さすが希少種のドラゴン！獣人でも耐性はバケモンだな。」
薄ら笑いを浮かべながら男が2人と、後ろに女が1人。
「しかも宝石が生えてるなんて凄いじゃない！綺麗だわぁ…」
「売れば金になるだろうなぁ！しかもある程度成熟した個体とみた。」
「しっかしなんでこんな奴が独り歩きしてるんだ？ドラゴンなんてそうそう…」
『あ、ぐ…誰、ですか…』
回らない口で尋ねると、また男のひとりがニィと笑った。
「口も聞けるのか…安心しろ。売りもんにするからお前が暴れなければ痛いことなんてなーんもしないさ。」
「そうそう。大人しく私たちの糧になってちょうだい。…あら？あなたいいもの付けてるのね。」
『あ…！』
女の人にチョーカーを奪い取られ、私は必死に手を伸ばす。
『かえ、して…！』
「これは私が貰っておくわ。」
くすくすと笑いながら女の人はチョーカーを付けた。すると男のひとりが何かに気づいたようだ。
「…ん？お前その番号…もしかして元々商品だったのか？」
『！』
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すみれいん(プロフ) - きゅるきゅる、ウルル…ここめちゃくちゃ好きです。 (2020年12月8日 23時) (
レス) id: a715f4eb82 (このIDを非表示/違反報告)
×(プロフ) - こんなに面白い作品が読めてうれしいです！応援してますヽ(^o^)丿 (2020年11月29日 12時) (レス) id: 2c8e323fdc (このIDを非表示/違反報告)
(´ー｀*)ｳﾝｳﾝ - 好きです。(唐突)頑張ってください。 (2020年11月25日 14時) (レス) id: 79aefbbb5a (このIDを非表示/違反報告)
ラリー - 面白いんじゃあ...続きが気になって死んでまう...(訳:この作品とても好みで面白いです!更新頑張って下さい!) (2020年11月24日 22時) (レス) id: 4e3832928c (このIDを非表示/違反報告)
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