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結晶が二つ ページ4

車の中で言われた。気を楽にしろと。トントンさんからも君は自由だと言われた。なら…期待、していいのかな。


Zm「着いたで。」


ゾムさん?の一言でぼーっとしていた私はハッとして顔を上げる。そこには割と大きな建物が立っていて、私はそれを見上げた。…前居た施設くらい大きい、かな。


Gr「こっちだ。」


グルッペンさんたちに連れられて中に入ると、どこか古めかしくも綺麗な内装だった。


Tn「そんなかっこで体冷えとるやろ。まずは風呂行ってき。」

Zm「風呂はこっち。服は…あー、なんとかする。ゆっくり浸かってこい。」

Gr「時間は気にするな。ただ、逆上せんようにな。」

『は、はい。』


タオルを渡されて、促されるまま浴場へと向かうと、何人もの人が入ってもいいような大きなお風呂が出てきて、私は驚きながらも、掛け湯をしてゆっくりと浸かった。


『はー…』


ぐっと体をのばし、一息つく。何か入浴剤が入っているのかは分からないけれど、乳白色のその色と香りはとても落ち着いた。しばらく浸かって浴室を自分の結晶で傷つけないようにそっと上がると髪や体を洗って流し、体を拭いて脱衣場に出た。そこには「今はこれを」という文字が書かれた紙とともにぶかっとしたシャツとちゃんと尻尾がある人用のハーフパンツが置いてあった。


『ん、しょっ…』


ありがたくそれを着させてもらうとなんと上のダクト(?)からさっきのゾムさんが顔を出した。


『ひゃ…』

Zm「終わったみたいやな。…うん、綺麗。」


わしゃわしゃと先程乾かしたばかりの頭を撫でられて、私はなんだか不思議な気持ちになった。


Zm「じゃあこっち。グルッペン…あの金髪のやつな。…がお前に改めて話があるんやと。」

『あ、えと、』

Zm「そんなに怯えんでもグルッペンが買ったものに手出しはせぇへんよ。」


そう言われてまた少しほっとはしたものの、油断はできない。人は心の奥底は何を考えているか分からないものだ。とはいえ逃げ出すことはできないだろうし素直について行くと、そこにはグルッペンさん以外にもたくさんの人がいた。


Ut「…お?その子が件の?」


一足先に気づいたそのスーツの男の人が私に近づき全身を舐めまわすように見る。


Ut「…へぇ、ほんまに結晶とか尻尾生えとる。細いけど、ちゃんと育てればええ女になるやろな。…あっ」


なんだか悪寒がして、咄嗟にグルッペンの横にいたトントンさんの後ろに隠れた。

結晶が三つ→←結晶が一つ



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すみれいん(プロフ) - きゅるきゅる、ウルル…ここめちゃくちゃ好きです。 (2020年12月8日 23時) (レス) id: a715f4eb82 (このIDを非表示/違反報告)
×(プロフ) - こんなに面白い作品が読めてうれしいです!応援してますヽ(^o^)丿 (2020年11月29日 12時) (レス) id: 2c8e323fdc (このIDを非表示/違反報告)
(´ー`*)ウンウン - 好きです。(唐突)頑張ってください。 (2020年11月25日 14時) (レス) id: 79aefbbb5a (このIDを非表示/違反報告)
ラリー - 面白いんじゃあ...続きが気になって死んでまう...(訳:この作品とても好みで面白いです!更新頑張って下さい!) (2020年11月24日 22時) (レス) id: 4e3832928c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ノア | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年11月24日 18時

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