結晶が二十五つ ページ27
Tn side
ペ神からAのことを聞いて俺は恐る恐る部屋の前へと立つ。そして一応ノックをして声をかけた。
Tn「A…？入ってええか？」
でもやはり返事はない。扉越しに息遣いは聞こえてくるけれど。そっと扉に手をかけ開くと、途端に微かに甘い匂いが鼻をついた。
Tn「…なん、やこれ。」
しっかり気を保ってないとくらっと来そうだ。でも俺は他より耐えれるところはあるのでベッドに近づき中を覗く。するとそこには明らかに辛そうにうつ伏せで寝ているAの姿があった。
『ウルルゥ…ウゥ…あ、とん、さ…』
Tn「…っ！」
それを見て俺はドキッとした。Aはとろんとした涙目で、しっとりと汗をかきながら顔を真っ赤にして俺を見上げたからだ。
『は、ふ…ぅ…』
Aは起き上がろうとして手に力を入れるが、余程きついらしい。ぼすんとまたベッドに寝そべる。そんな中でもか細い声で俺を呼んでるのが聞こえるので、俺から近寄ってあげた。
Tn「A、俺がきたで。辛かったなぁ、おいで。」
『ウル…きゅぅ…』
もそもそとシーツごと動くと俺の胸の中に迷いなく飛び込んでくる。するとまたあの香りが鼻をつきぬける。恐らくこれは発 情期特有のものなんだろう。でもまだ未成年で、しかも無垢なAに手を出すのは無理だ。
『きゅ、きゅう…ウルルゥ…』
Tn『ん"っ…』
Aには申し訳ないけど正直に言う。めっちゃ可愛い。すんごいきゅうきゅう鳴いてるしめっちゃ俺に縋ってる姿は心底愛おしい。
Tn「ん、ここにおるよ。安心してな。」
『…んきゅぅ…』
ベッドに足を伸ばし、壁によりかかる俺の膝にAが跨いで乗り、顔を俺の胸に預けている状態となる。服の布越しでもAの熱い体と柔らかさ、体に生える結晶の硬さが伝わってきた。
Tn「(…そういえば。)」
今目の前でゆるやかに揺れている尻尾。…もそうだが角とか、付け根どうなってんねやろ。ちょっと気になって白い髪をそっと掻き分けてみた。するとやはり見れば直に生えてると分かる。
Tn「やっぱ半獣…なんやなぁ…」
人間とも違う。ドラゴンとも違う。どちらにも属さぬ半獣。…まぁ、そんなの俺には関係ないけど。
『…？きゅ…』
Tn「ん？なんでもあらへんよ。眠いんか？少し寝とけ。」
『…ウルルゥ…』
ぽんぽんと背中を叩いていれば、俺の胸に縋りながら眠りにつく。時が来るまで、匂いに耐えながら優しくさすってあげた。
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すみれいん(プロフ) - きゅるきゅる、ウルル…ここめちゃくちゃ好きです。 (2020年12月8日 23時) (
レス) id: a715f4eb82 (このIDを非表示/違反報告)
×(プロフ) - こんなに面白い作品が読めてうれしいです！応援してますヽ(^o^)丿 (2020年11月29日 12時) (レス) id: 2c8e323fdc (このIDを非表示/違反報告)
(´ー｀*)ｳﾝｳﾝ - 好きです。(唐突)頑張ってください。 (2020年11月25日 14時) (レス) id: 79aefbbb5a (このIDを非表示/違反報告)
ラリー - 面白いんじゃあ...続きが気になって死んでまう...(訳:この作品とても好みで面白いです!更新頑張って下さい!) (2020年11月24日 22時) (レス) id: 4e3832928c (このIDを非表示/違反報告)
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