結晶が十五つ ページ17
返事をした所で、トントンさんが戻ってきたのでオスマンさんは入れ替わりでその場から出ていった。
Tn「はぁぁぁぁすまんかったA…」
『いえ…それより、あの、』
まだ誤解してるであろうトントンさんに事の顛末を話せば、納得したように頷いてくれた。
Tn「そゆことね？まぁでもアイツには君に手を出す前にお灸を据えなあかんと思ってたし、ちょうど良かったわ。謝らんでええよ。」
『そう、ですか…』
シャツ姿のトントンさんは柔らかく微笑む。そしてハッとしたように私を見た。
Tn「あっ！そうやその服、すまんな俺のやつ咄嗟に被せてもうて。アイツほどとはいかんやろけど、他にもタバコ吸っとるやつはいるし、多少はタバコとか書類仕事の時のインクとかの匂いするやろ…」
などと言うので、私はそんなことないと首を振る。
『いえそんな。トントンさんの匂い、落ち着くから私は好きですよ。』
Tn「…ふぁっ」
するとトントンさんはぽんっと顔を真っ赤にして固まってしまった。それを不思議に思うものの私は言葉を続ける。
『それに正直その…グルッペンさんとトントンさんが一番無駄な匂いがしないので、私は安心します。』
2人は一緒にいてなんだか落ち着く。一番初めに私を買ってくれたからなのか、何故か家族同然に接してくれてるからか、すっかり心は安らかになっていた。
『だから…ぁう…』
Gr「っと…眠そうだな。」
がくりと頭を垂れて私は一瞬ハッとするが、また眠気に誘われる。
Gr「風呂に入ったあとにさっきの騒動やったからな…少し疲れたか。A、寝るならベッドでだゾ。」
『んぅ……』
目を擦りふあっと欠伸をするとふらふらと自分の部屋へと向かおうとする。それをグルッペンさんに引き止められた。
Gr「待った。その足取りは流石に見てて耐えかねん。俺が連れていくから手を握っていろ。」
『すいません…』
Gr「トン氏も来るか？」
Tn「…はっ！あ、いや、俺はいいわ…グルさんがいるなら大丈夫やろ。上着…は明日返してな。」
その言葉に私はこくりと頷くと、トントンさんには頭を撫でられて見送られた。無事に部屋へと着くとごろりと寝転んだ。尻尾も翼もぐてっと投げ出す。
Gr「…あまり無防備なのもよろしくないぞ。」
『？無防備？』
Gr「…分かってないならいい。ただ、お前は色んな意味で常人離れしていることを忘れるな。」
髪をさらさらと手櫛で梳かれ、言われた。その言葉を聞きながら、私は眠り落ちた。
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すみれいん(プロフ) - きゅるきゅる、ウルル…ここめちゃくちゃ好きです。 (2020年12月8日 23時) (
レス) id: a715f4eb82 (このIDを非表示/違反報告)
×(プロフ) - こんなに面白い作品が読めてうれしいです！応援してますヽ(^o^)丿 (2020年11月29日 12時) (レス) id: 2c8e323fdc (このIDを非表示/違反報告)
(´ー｀*)ｳﾝｳﾝ - 好きです。(唐突)頑張ってください。 (2020年11月25日 14時) (レス) id: 79aefbbb5a (このIDを非表示/違反報告)
ラリー - 面白いんじゃあ...続きが気になって死んでまう...(訳:この作品とても好みで面白いです!更新頑張って下さい!) (2020年11月24日 22時) (レス) id: 4e3832928c (このIDを非表示/違反報告)
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