ゞ ページ15
エミさんはポツリとこう呟く。
Em「…怖いんです。」
『怖い？何が？』
Em「吸血鬼は、人間に恋をするとその人の血しか飲めなくなります。それ以外は拒否反応を起こしてしまうんです。今までもたまに血を求めて血を吸うことはあれど、恋愛感情まで抱くことはなかったので私も皆さんも、困ることはなかった。」
少しづつ、少しづつ、ゆっくりと話す。
Em「なのに、あなたが来てから私たちは皆あなたにぞっこんなんです。他の人の血の匂いを嗅いでも、何も感じない。試しにゾムさんが他の人間の血を吸おうとしたら堪らなく不味く感じたそうです。あの大食いのゾムさんが。あなたの血しか受け入れられなくなっている。あなたは私たちが初めて本気で恋をして愛したいと思った最初で最後の相手なんですよ。」
そう言い切ってエミさんは手で顔を覆って声を小さくしながら続ける。
Em「だからこそ…私は怖い。いつか本能に抗えずあなたを手酷くしてしまいそうで…そして、もしあなたが元の世界に帰りたいと訴えだしたらそれこそ手元に置くために私でさえも手段を選ばない…そう考えてしまったんです…」
声のトーンが酷く葛藤している事をハッキリと示している。
Em「あなたが私たちを嫌っていないのは分かっています。けど本能に抗えず結局あなたに嫌われてしまったら…私たちは本気で理性を失うかもしれない。だから、だから、私は謝りたかった。私はAさんと一緒にいたいからっ…！」
『…』
俺は苦しそうに訴えるエミさんを見つめると、立ち上がりその隣に座る。そしてその顔に手を添えると、
『…それはお互いさまだよ。ゾムにはもう言ったけど、俺もお前ら無しでは生きられないかもと思い始めて来たんだ。ここに来てから毎日楽しくて、嬉しい事がたくさんで…俺は心底感謝してる。だから、嫌うなんてしない。俺はみんなとここに居るよ。いつか寿命がくるまでそばに居るから。』
優しく諭すようにそう言えば、エミさんは添えてた俺の手をとって手のひらにちゅっとキスを落とし、ガリッと傷を付けると血を舐めとった。
『いっ…』
Em「…ならば、私も誓いましょう。生きているかぎりあなたを全力で守ると。だから、いつまでも私たちと一緒にいてください。この痛みを、忘れないで。」
付けた傷にまたキスを落としてエミさんは俺を抱きしめる。俺はそれを抱きしめ返す。
やってることは一種の呪いかもしれない。けど、俺もこいつらと過ごせるのなら本望だった。
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ノア(プロフ) - 黒猫さん» ご指摘ありがとうございます。少し編集させていただきました。 (2020年7月19日 7時) (
レス) id: c0349a147b (このIDを非表示/違反報告)
黒猫 - ２４ページの最初の方ｋｎさんが喋っていることになってますよ (2020年7月18日 23時) (レス) id: 1cf413de79 (このIDを非表示/違反報告)
しおりん(プロフ) - 面白かったです！星も綺麗ですよ(*´▽｀*) (2020年6月26日 23時) (レス) id: 527cd6ca75 (このIDを非表示/違反報告)
一月鈴華(プロフ) - ロリ化の話最高すぎです！ニヤニヤしながら更新待ってます！ (2020年6月22日 8時) (レス) id: a228d6db47 (このIDを非表示/違反報告)
缶コーヒー - 面白いです！しかも私も吸血鬼パロ好きなんですよー(⌒▽⌒)ｵｿﾛｲﾃﾞｽﾈなので気長に更新、お待ちしておりますー (2020年6月7日 18時) (レス) id: b386527986 (このIDを非表示/違反報告)
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