まだ気にしてたのか ページ14
お互い長い付き合いになることを了承した後、やることを終えた俺はみんなと別れ部屋に戻ろうと廊下に出た。するとそこでエミさんに会った。
Em「Aさんこんにちは。良ければこの後お時間頂けないですか？」
『もちろん。』
Em「ありがとうございます。美味しい茶葉が手に入ったのでぜひAさんにと思って。あと…少しお話したい。」
『？』
それはラッキーだな。新しい茶葉を俺が最初に飲めるってことだろ？嬉しいなぁ。でも話ってなんだろ。エミさんに着いていって部屋に入るとエミさんにソファに座るように促されて俺は遠慮なく座る。間もなくこぽこぽとお湯が湧く音がして、ポットにお湯が注がれる。
カチャカチャと陶器が擦れ合う音を出しながらエミさんは俺の前に淹れた紅茶とお菓子を差し出してくれた。
Em「はいどうぞ。お口に合えばいいのですが…」
心配そうに言うエミさんを見て、俺はそれを口に含んだ。ごくり、と嚥下すれば爽やかな香りとほのかな砂糖の甘さ、フルーティーな味が広がり俺は思わず顔をほころばせる。
『…美味しい。美味しいよエミさん。』
Em「本当ですか？良かったぁ…」
心底ホッとしたように笑うとエミさんは俺の向かい側に座って自分も紅茶を啜る。すぐにパッとした表情になって笑顔を浮かべた。そこで俺は本題を聞くため口を開く。
『そう言えば話って？』
聞くとエミさんはカップを下ろし、少し神妙な顔になる。
Em「…こないだの事、改めて謝りたかったんです。」
『こないだ？』
こないだの事って…何かあったっけな？
Em「前に図書館で私の自制が効かず血を吸ってしまった事があったでしょう？しかも目隠しなんて…あなたは良いと言ってくれたからあの時は納得しましたが後からまた凄く申し訳なくて…本当はもっと早く言うべきでしたがなかなかタイミング合わなくて…」
『…あー…あれか。』
エミさんの手伝いしてた時の話だな？確かエミさんは書類仕事してて、俺は本が傷んでないかその点検だっけ。
『まだそんなの気にしてたのか。俺は俺の意思でエミさんに身を委ねたんだ。謝ることないって。』
Em「…そう、ですか。ならいいのですが…」
そうしてエミさんはまた少し俯いて紅茶を飲む。…エミさんのことだ。また色々面倒なこと考えてんのかな。
『…まだ何かあるような顔してるぞ。』
指摘すればエミさんはハッと顔を上げた。
Em「あなたには何もかもお見通しなんですね…」
文字数(((
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 472人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ノア(プロフ) - 黒猫さん» ご指摘ありがとうございます。少し編集させていただきました。 (2020年7月19日 7時) (
レス) id: c0349a147b (このIDを非表示/違反報告)
黒猫 - ２４ページの最初の方ｋｎさんが喋っていることになってますよ (2020年7月18日 23時) (レス) id: 1cf413de79 (このIDを非表示/違反報告)
しおりん(プロフ) - 面白かったです！星も綺麗ですよ(*´▽｀*) (2020年6月26日 23時) (レス) id: 527cd6ca75 (このIDを非表示/違反報告)
一月鈴華(プロフ) - ロリ化の話最高すぎです！ニヤニヤしながら更新待ってます！ (2020年6月22日 8時) (レス) id: a228d6db47 (このIDを非表示/違反報告)
缶コーヒー - 面白いです！しかも私も吸血鬼パロ好きなんですよー(⌒▽⌒)ｵｿﾛｲﾃﾞｽﾈなので気長に更新、お待ちしておりますー (2020年6月7日 18時) (レス) id: b386527986 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
