これが恋だなんて信じないⅡ (ページ40)

今日:1 hit、昨日:42 hit、合計:56,948 hit

ある駅での光景ページ40

クリスマスが過ぎれば、あれよあれよという間に正月も過ぎ、私の誕生日までは実にあっという間だった。

正月の間とかも宏規くんとは連絡を取った。やっぱり、互いに連絡がしやすくなったのがあると思う。まあ、意気地なしなので私から連絡することはほとんどないのだけど……申し訳ない。

そして、今日は宏規くんと、会う約束をした日だ。まあどちらも忙しい(天秤にかけるまでもなく宏規くんの方がずっと忙しい)ので、宏規くんの今日のノスワンの公演が終わってからだけど…それでも、連絡を取り合うだけよりも、直接会える方が断然良い。

1月は冬の真っ只中。建物の中はまだしも、外はものすごく寒い。

「風が冷たいなぁ…」

足を冷やすと太くなると、昔から祖母や母親に言われてきた。だから私は冬に足が見えることは無い。スカートやワンピースでもタイツは絶対着用。第一寒い。でも、道を行き交う若い女の子は生足の子が実に多い。女の子って…すげぇ…

待ち合わせ場所は駅構内。まあ周辺に店は色々あるし、ってことでここになったんだが……

「カップルがいっぱいだ…」

知ってはいたが、駅で待ち合わせるカップルは多い。うわぁーあそこの小さい可愛い人なんて、彼氏くんに抱きついちゃってるよ。可愛いな。あんな風に出会ってすぐ嬉しそうに抱きつかれたら彼氏くんも満更ではないだろう。
無理。私には到底できない。あとサイズ的に。女子の平均身長よりも高い私の身長は、世間で言われる「手を繋ぐのにちょうどいい身長」とか「キスをするのにちょうどいい身長」とか(女子力が欠如してるから細かく覚えてない)で考えれば宏規くんとは実にちょうどいいのだけど…見た目的に可愛くないからな。身長差があるのに越したことはないだろう。

そんなこと気にしてんの、私だけかな…

そんなことをぼーっと考えながら目の前の人の波を見ていると、私の視界の中にいきなり見知った影が入ってきた。

「やっほ〜」

「あっ、宏規くんっ。久しぶり」

久しぶりに会った宏規くんは、黒髪の色が落ちて茶色がかっていた。そういえば前に色が落ちるの早い〜ってツイートしてたな。
じわじわと嬉しさが増してきて、あ〜宏規くんだ〜、とか思わず言いたくなる。

「めっちゃぼ〜っとしとったね、俺そこら辺でずっと見とったんやけど全然気づかへんわ〜と思って」

「えぇ？ごめん！」

全然思ってないごめんを返してしまった。今、幸せオーラ出まくってるんだろうな〜私。