これが恋だなんて信じないⅡ (ページ18)

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「～～！おいしい！」

1口分のパンケーキを口に入れると、パンケーキとチョコソースの甘さとラズベリーの甘酸っぱさが合わさって、甘いのにさっぱりした素晴らしい味が口の中に広がった。意外とチョコソースもくどくなくていい感じだ。さっきまでカロリーが…とか思ってたけどそんなのが吹き飛ぶくらい、今は頼んでよかったと思う。

その様子を見て宏規くんは「なんかAちゃんってめっちゃ美味しそうに食べるよね。お昼のときも思っとったけど」と言うので「ふふ、そう？よく言われる」と返した。

「宏規くんも一口いる？あ、でも苦手かぁ」

「え、じゃあもらってもええ？」

「おっけい。……はいっ」

そう一口分をナイフで切ってフォークにそのまま刺して差し出すと、宏規くんは少し困った顔になって、「そのままでええの？」と聞いてきた。

「ん？なにが？」

「そのままやと…間接になるけど」

「え？……あっ、ご、ごめん！！」

私としたことが、いつものノリでそのまま自分のフォークを渡そうとしてしまった。
申し訳ないのと恥ずかしいので、咄嗟にフォークを持った右手を引こうとすると、それより早くその腕を宏規くんに掴まれる。そして、そのまま彼はフォークの先のイチゴとパンケーキをぱくっと食べてしまった。

「えっ………ええっ?!ちょっ、宏規くん……！」

「あ、これうまいね」

「おいしいけど…今……」

いきなりの行動に頭が混乱する。さっき「間接になるけど」って聞かれたのになんで結局しちゃったのこの子は？初めてパパ以外で間接キスをしたのが宏規くんなんてシャレにならない。思わずフォークを持っていない方の手で口元を覆った。もちろん、顔が赤いことなどわかっている。

「その反応が見たかった……って言ったら怒る？」

「…！怒んないけど……趣味悪いね…」

「ははっ、優しすぎるやろ。普通は怒らなかんと思うけど…」

んないたずらっ子みたいな笑みでこっちを見るなああ！！
私が怒らないのわかってるだろ絶対！！

「ほら…私心広いから」

私は耐えられず肘をついて下を向いた。

私が怒れないのは、きっと宏規くんのことが好きだからだ。
あーやだやだ。自覚したら苦しいだけなのに。なんでこんなに君は私を追い詰めてくるの

宏規くんと一緒にいればいるほど、"好き"ってことを認めざるをえなくなる