夜 ページ31
「そういえばさ、Aちゃんと宏規って同い年だよね？」
「え、うん、そうやけど」
私が言うよりも前に宏規くんが答えた。なんとなくなんとも言えない気分だ。
3人という謎メンツでの夕飯の帰り道。いくみんは私みたいなファンなのに同業者という存在に興味が湧くらしく、色々質問された。まあ、そりゃあそうだわな。すぐ受け入れていた宏規くんの方が珍しい。どっちでもいいだけかもしれんけど。
いくみんはなんだか他人に思えない。私と似ているのかもしれない。
「ってことは19やから……でも専門学校って最低2年で、普通は20歳に卒業じゃないの？」
「え、そうなん？俺普通になんとも思わんかった」
よく知ってるな…と思いつつ、「なんか学校内オーディション的なのが毎年あって、それに来てた今の事務所を受けたら受かっちゃったから、1年はちゃんと行って、それから辞めた。普通一年生は力試しって感じで受からないんだけど」と言っておいた。
まあ運が良かっただけである。まさかavexなんて大手に受かるとは先生や親でさえ思わなかっただろう。
「やば、それは天才」
「思ったよりすごすぎたわ」
「天才じゃないけど、ありがとう」
2人の語彙力のない称賛を浴びながら駅に着く。私と2人は乗る側が反対だ。
私は少し名残惜しかったが2人に「今日はありがとう」と笑顔で言った。
「いやいや、こっちこそ。よかったらまた行こ」
「ばいばーい」と別れる。一日の終わりにに、宏規くんの顔が見られるなんて幸せだなぁとかしみじみと思い、自然と口角があがった。
東京は夜でもすごく明るい。人も割と夜遅くでも溢れている。
なんとなく気分の上がる光景だ。まあ電車がギュウギュウなのは嫌なんだけどね、しょうがない。
高校生のころは、東京に行けるとは思っていなかった。親に許してもらえないと思っていたから。でも、「舞台なら東京でやるでしょ。いつか会うかもね」と言って、母親、もとい舞台好きでよく遠征に行くママは送り出してくれた。パパも「Aがやりたいなら」と言って援助してくれている。本当に、感謝しかない。
「あー、明日も公演がんばろっ！」
色々あったけど、幸せで、自然と気持ちが引き締まった気がした夜だった。
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ひよこまめ(プロフ) - 晴菜さん» ありがとうございます！長らく更新せずにすみませんでした……溜めていたのでバンバン更新(多分)します！ (2019年10月25日 22時) (
レス) id: dfe9b86821 (このIDを非表示/違反報告)
晴菜 - 続き楽しみにしています！無理せず頑張って下さい！ (2019年10月21日 0時) (レス) id: 3c5af7941e (このIDを非表示/違反報告)
ひよこまめ(プロフ) - 木綿さん» コメントありがとうございます！最近暇なので……(本当は試験が迫っている)きまぐれ更新ですが、付き合っていただけてありがたいです (2019年10月13日 5時) (レス) id: dfe9b86821 (このIDを非表示/違反報告)
木綿 - たくさん更新嬉しいです！！続きドキドキです〜〜 (2019年10月13日 1時) (レス) id: a9775c7f67 (このIDを非表示/違反報告)
ひよこまめ(プロフ) - ゆさん» コメントありがとうございます！最近更新が滞っているのでどんな文句が…とビクビクしてコメント見ました笑とても暖かいお言葉、ありがとうございます。 (2019年10月6日 0時) (レス) id: dfe9b86821 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひよこまめ x他1人 | 作成日時：2019年8月27日 4時
