122話 溢れる ページ1
私はぐっと拳を握りながら問いかける
とても怖い.....でも.....
「轟さんをけしかけたのは貴方ですよね.....」
聞かずにはいられなかった
「けしかけた.....つまらないことを、彼奴は一刻も早くオールマイトを超えなければならない.....そして貴様もな」
「.....は.....まだそんなことを言って！轟さんがNo.1になったところで、貴方が1番になるわけじゃない！！轟さんは貴方のものじゃない.....！ちゃんと自分の心を持ってる.....！その心を踏みつけにしないで！！」
私はエンデヴァーの言葉を聞いた瞬間、言葉が溢れて止まらなかった
苦しい、心が負の感情に押し潰される
そんな私を、エンデヴァーは笑った
「よくもそんな.....貴様は機械同然だったのにな.....！蓮香は.....お前のせいで死んだんだぞ！？分かっているの「分かるわけないに決まってるでしょ⁉」
「両親も.....育ててくれたおじさんも死んで、正気でいられると思う⁉空っぽなのは辛い.....！側に居てくれないのは寂しい！私は羨ましい.....力があって、家族がいる貴方が.....！！ヒーローの前に父親でしょ！？だったら.....轟さんの心を守ってあげてよ.....っ.....！」
そう言った瞬間、私は壁に打ち付けられていた
「か.....っは.....」
「家族なぞ.....貴様には分かるまいな」
その言葉は、心なしか弱く聞こえた
「鎧塚さん.....！貴方が、何をしているんですか」
聞こえたのは、少し怒気を含んだデクさんの声
彼は私に駆け寄ってきて、優しく起こしてくれた
「何.....癪に触ったから少しな.....それと、君の活躍見せてもらった、素晴らしい"個性"だね.....指を弾くだけであれ程の風圧.....！パワーだけで言えばオールマイトに匹敵する"個性"だ」
エンデヴァーの言葉を聞いた瞬間、デクさんの顔が青ざめた
「何を.....何を言い.....たいんですか！」
「ウチの焦凍にはオールマイトを超える義務がある.....君との試合はテストベッドとしてとても有益なものとなる.....くれぐれもみっともない試合はしないでくれたまえ」
「言いたいのはそれだけだ、直前に失礼した」
エンデヴァーがゆっくりと去っていく
「まだ.....そんな.....こと.....デク.....さん.....？」
彼は私に優しい顔を見せた後、立ち上がった
「....僕はオールマイトじゃありません.....」
「そんなものは当たりま.....「当たり前の事ですよね.....轟くんも.....あなたじゃない」
彼ならきっと.....
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作者名：雪乃 Kei | 作成日時：2020年4月29日 13時
