あなたへの手がかり(2) ページ25
*
「それより沖田くん、ここで何をやってるの?」
「ああ。実は…昨夜見回り途中に土方さんが襲撃されやして」
「土方さんが…?!」
悔しげに歯を食い縛る沖田くんの言葉に耳を疑った。
あの土方さんが不覚を取るなんて…相当の強者なのだろう。
「それで土方さんは無事なの?」
「それが…俺たちが駆けつけた時には、土方さんはもうーー」
「そんな…」
「クソッ!土方さん、アンタの仇は俺が…副長に昇格してから必ずーー」
「勝手に殺してんじゃねェェエ!!」
横入りしてきた勢いあるツッコミに肩を揺らす。
そこには、腕を負傷した土方さんの姿。
包帯で腕を吊り下げたその様はとても痛々しい。
「つーか副長の昇格ってなんだよ!!部下なら早々にカタをつけるのが筋ってもんだろうが!!」
「何言ってんですかィ土方さん。俺はアンタを上司だなんて思ったことありやせん」
「土方さん、ご無事だったんですね!」
「いや、コイツの話全部ウソだから!昨夜コイツも一緒に戦ってたから!」
「ったく、負傷した土方さんを介抱してやったってのに酷い言われようでさァ」
「ったりめェだ!!なんならこの怪我もてめェの殺意が招いた結果だろうが!!」
ご立腹な鬼の副長さんのお話によれば、沖田くんのバズーカが迷いもなく一直線に自分の方へと飛んできたとのこと。
ーー沖田くんは随分と土方さんに怨念を抱いているらしい。
まあまあと二人を宥めると、傍で聞いていた神楽ちゃんが小指でアグレッシブに鼻掃除しながら、声をかける。
「お前ら負け犬の内輪揉めの話はどうでもいいネ。それよりも相手は誰だったアルか?」
「…暗がりで顔はよく見えなかったが」
そう言って沖田くんが差し出したそれに目を疑った。
ーー土埃に塗れた包帯、古ぼけた見覚えのある枯草色の教本。
それらは間違いなく、晋助の物だと確信出来る決定的な物だった。
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宇治(プロフ) - 風寧さん» 風寧さん、こんにちは!宇治です。二度もコメントありがとうございます、嬉しいと言ってもらえてやる気滾ります。期待に応えられるよう頑張りますね!!これからもよろしくお願いします。 (2019年4月2日 18時) (レス) id: c046a70699 (このIDを非表示/違反報告)
宇治(プロフ) - アガシャさん» 初めまして、宇治です。コメントありがとうございます。話数もだいぶ迫ってきましたので、続編という形を取らせていただきました。頑張ります…!今後ともよろしくお願いします。 (2019年4月2日 17時) (レス) id: c046a70699 (このIDを非表示/違反報告)
風寧 - 以前コメントさせて頂いた者です。続編のお知らせ、本当に嬉しいです!楽しみに待ってます! (2019年4月2日 1時) (レス) id: 56908df3cc (このIDを非表示/違反報告)
アガシャ - 続編ですか!嬉しいです!頑張って下さい! (2019年4月1日 14時) (レス) id: a554153f5f (このIDを非表示/違反報告)
宇治(プロフ) - 蓬さん» 初めまして、宇治です。嬉しいお言葉ありがとうございます。そう言ってもらえると、すこぶる執筆意欲が湧きます…!!今後の展開にご期待いただければ幸いです。ありがとうございました。 (2019年3月16日 20時) (レス) id: c046a70699 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:宇治 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/uji/
作成日時:2019年1月20日 14時