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▫️恋と夢 ページ6

*




「最悪だ………」


俺がAを好きだということが凪にバレてしまったーー

大きな溜め息をひとつ吐き、机に伏せていると女子たちが群がって俺の元へと集まってくる。



「玲王〜!一緒にお昼食べよ……って、どうしたの?」

「元気ないね。体調悪い?」

「…いや、なんでも」


王子様のような輝かしい笑顔を振りまく気力もなく、適当に返事を返す。


ーー御曹司の肩書きで寄ってくる女なんてたくさんいる。
現にこうして駆け寄ってくる女達もそうだ。
俺が声をかければどんな女も首を縦に振る自信があった。


でもAは違った。

俺がどんなに格好をつけても、最後まで俺を子供扱いして、可愛いと笑って。
そんなAにいつの間にか夢中になっていた。

Aが欲しい、と。
そう思うようになった。



「ーーなあ、ちょっと聞きたいんだけど」


肘をつき、群がっていた一人の女子の服袖をツンツンと引っ張ってみる。



「なあに?玲王くん」

「俺って、かっこいい?」


あまりに突拍子な質問に目の前の女子はきょとんと目を丸くした後、あははと笑った。



「何言ってるの玲王くん!当たり前じゃん!!玲王くんほどかっこいい人この学校にいないよ!」

「だよなぁ…」


やべぇ。全っ然嬉しくねぇ。
なんなんだこの満たされない感じ。

本日何度目かの溜め息を吐いて再び塞ぎ込む。



「…玲王くん、本当に大丈夫?」

「なんか玲王らしくないね」

「ーーごめん。しばらく放っておいて」


重い空気を察してか、心配の声が散り散りになっていくのを耳にしながら暗い闇へとのめり込む。

W杯に出て世界一になるーーそれが俺の夢だ。
夢を叶えて、世界一のサッカー選手になってーー

そうすれば、あいつは俺を見てくれるのかな。
俺のこと男として認めてくれるかな。

▫️恋と夢 - 2→←▫️めんどくさい感情 - 2



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宇治(プロフ) - いのりさん» いのりさん、ご無沙汰しております♪お優しいお心遣い感謝です(泣)励みになります…まさかこんなにスランプに陥ると思っていませんでした…。凪くん楽しく執筆させていただきますね!ありがとうございます♪ (2023年2月17日 13時) (レス) id: 7205c6bdcb (このIDを非表示/違反報告)
いのり(プロフ) - 宇治さん!こんにちは!スランプって大変ですよね…。ゆっくり宇治さんのペースで大丈夫ですよ!応援してます♡ (2023年2月17日 7時) (レス) @page26 id: 61b0845b42 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:宇治 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/uji/  
作成日時:2023年1月28日 17時

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