▫️白宝の異端児 - 2 ページ2
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「俺のメロンパン……」
ーーと眠気を誘うような声色が訴えた足元の違和感。
ぐしゃりと歪な音を立てるその先には、袋の中で憐れにも微塵と化した食べ物の残骸。
サーっと血の気が引いた。
「ご……ごめんなさいっ！！！」
「まあ、いいよ。食べるのめんどくさかったし」
「よお、凪！サッカーやるぞ！」
「また来たの？」
あ、こっちも死んだ。
なんてどうでもよさそうに手先で遊んでいたゲーム機の画面をぼーっと見つめながら、再びゲームを再開する。
そうだ、この人ーー同じクラスの凪誠士郎くんだ。
「…で、キミは誰？」
「あ、私AAと言います。凪くんだよね？」
「俺のこと知ってるの？」
「何言ってんだよ凪。Aと同じクラスだろ」
「そうだっけ？」
特にこちらを見るわけでもなく、器用にゲームのカーソルを動かしている。
認知されていないとは。
まあ凪くんはあまり他人に興味無さそうだし、人と絡んでるところも見たことがない。
知らないのも無理は無い気もする。
「食べるのめんどくさいけどお腹すいたー」
空腹に耐えかねたのか、彼は持ってた端末を放り、床に大きく寝転がってお腹の虫を鳴らす始末。
まあ元はと言えば彼のお昼を台無しにした元凶は私である。
どのように詫びようかと考えていると、彼の指差す方向にピンクの風呂敷に包んだマイ弁当。
「ねえ、それAの弁当？」
「え？あ、うん」
「ふーん。じゃあ、はい」
思いついたかのように凪くんはむくりと起き上がると、口をあけて目の前にお座りをする。
これはいわゆる…あーん待ちってやつだろうか。
ほぼ初対面という状況下での馴れ馴れしい暴挙に呆気に取られていると、玲王がコツっと凪くんの頭を小突く。
「凪。飯くらい自分で食え」
「だって俺のお昼無いし、めんどくさいから食べさせてー」
「買えばいいだろ」
「買いに行くのめんどくさい…」
早くー。
と当の本人は再び口を開け、大柄な身体でじたばた足を泳がせるその様。
なんでこんなことになったのかと考えを巡らせるも、根源は私であることに変わりは無い。
一抹の羞恥心が襲う中、仕方なしにひとまず卵焼きをその大きな口に放り込んであげた。
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宇治(プロフ) - いのりさん» いのりさん、ご無沙汰しております♪お優しいお心遣い感謝です(泣)励みになります…まさかこんなにスランプに陥ると思っていませんでした…。凪くん楽しく執筆させていただきますね！ありがとうございます♪ (2023年2月17日 13時) (
レス) id: 7205c6bdcb (このIDを非表示/違反報告)
いのり(プロフ) - 宇治さん！こんにちは！スランプって大変ですよね…。ゆっくり宇治さんのペースで大丈夫ですよ！応援してます♡ (2023年2月17日 7時) (レス) @page26 id: 61b0845b42 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：宇治 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/uji/
作成日時：2023年1月28日 17時
