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「来るんやったら教えてくれてもええのに。」
「あー！ごめんなさい。
急きょ行こって、チケット取ったんで…」
「ふーん、…彼氏？」
通路側の席、つまりみっちーの席に腰かけた丈くんは、足元の荷物を見下ろしてそう言う。
「は！？…え、？いや今なんて？？」
「ちゃうん…？一緒に来たん男やろ？」
「いやまあ、確かにそうですけど…
違います！ほんっとにそういうのなくて、ただ単に…」
もし今ここで、わんこが帰ってきたら、どうなる…？
残業ランキングそこそこいい所に入るであろう私が、相当年の離れた彼氏がいたとすれば？
いわゆるヒモ彼氏を、養うために残業してて…
そんなんだったら辞めてもらいますよ、とかみんなの前でバラされて？
えー佐藤さん、そんな趣味だったんだ？とか、生緩い視線を投げられ？
それに耐えられなくなって、結局退しょ、
…うん、絶対ダメだ
「ただの、親戚です。…ちょっと遠いですけど、」
信じられる程度の嘘で誤魔化すと、さすがの丈くんも納得したのかそれ以上はつっこんで来なかった。
「丈くんは…？今日、どこ取ったんですか、」
無理やりに話題を変えると、スタンド席を見下ろして、そこと指を指す。
「え？めちゃいい席じゃないですか！？」
「せやろ？やから、
「早く戻った方がいいですって！
ほら！もうラオウ引き揚げてきますよ！カメラ！」
そう、首から提げているカメラを構えるよう促すと、フッと音を立てて笑う。
「なんでそんな俺より必死やねん、笑」
「なんでって…
いつも丈くん、『シャシャシャシャシャッ！』って引くくらい連写してるじゃないですか、」
そう言うと、本格的にツボに入ったのか、けたけたと引き笑いしているけど、関東圏のここではかなり目立つみたいで、まわりが少し静かになってる気がする。
全然気にしてない、目の前の大阪のお兄さん強い…
ようやくひと通り笑い終わったのか、帰るわと立ち上がった丈くんが私のトートバッグに目線を落として、
「今日先発由伸じゃなくて残念やったな、」と言う。
「いいですよ、山岡の泰ちゃんイケメンだから。
いいの撮れたら分けてくださいよ。」
一応おねだりしていたら、いきなり視界が暗くなった。
「なん、ですか？」
「つばんとこ邪魔やねん。
本気で撮ってくるから、預かっといて。」
じゃ、なんて、階段を降りてった丈くんの髪の毛は、さっきまでキャップを被ってたはずなのに、さらさらと揺れていた。
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いとしなもん(プロフ) - ゆうさん更新ありがとうございます‼︎とても楽しみにしていたので更新して下さりありがとうございます‼︎引き続き応援しております‼︎ゆうさんのペースで頑張って下さい🥰 (11月7日 17時) (
レス) id: a0d3106a6a (このIDを非表示/違反報告)
いとしなもん(プロフ) - 初コメ失礼します。Sweetdevilをきっかけにゆうさんの作品が大好きになりました🍀Twitterの方もフォローさせて頂きプライベッターの方もフォロリク送らせて頂きました。これからも応援しております‼︎ (7月7日 5時) (レス) id: a0d3106a6a (このIDを非表示/違反報告)
さゆみ(プロフ) - 更新されるの待ってました...！丈くんとの急接近♡この後も楽しみにしてます〜！ (7月6日 23時) (レス) @page34 id: 3d5866d42a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆう
| 作成日時：2023年1月26日 21時
