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ユミにお礼を言い、実家に帰る当日駅前まで弟が迎えにきてくれた。
「Aちゃーーん！」
「ちょっ！ラウ！恥ずかしいよっ」
「えー、だってAちゃん全然連絡ないし帰ってこないんだもん！やっと会えたんだからこれくらいいいでしょ！」
ぎゅーっと私を抱きしめてそんなことをいうラウールは、158�僂靴�ない私にはくるしい。
「ラウ、またおっきくなったー？」
「そうかもー」
私の荷物を持ち、家に向かって歩きながら
「ねぇ、Aちゃん急に実家帰ってくるってどうしたの？
彼氏と一緒に住んでたよね？別れたの？」
「・・・聞かないで」
「ふーん。でもAちゃん帰ってきてくれてうれしー！
シェアハウスのみんなも優しい人達だから安心してねっ」
「不動産やさんとかで募集したの？」
「ううん、みんな知り合いだよ。パパもママも僕1人じゃ心配だからってシェアハウスにしたの。1人はモデル仲間であとの2人はカフェの運営してもらってる」
「カフェ閉店したのかと思ってた。やってくれる人いてよかったね」
「うん、カフェのほうも建て替えてリニューアルしたんだよ」
「なにかルールみたいのはあるの？」
「そんなにないかなー。呼び方は堅苦しいのはなしでー。まぁ、その都度わかんなかったら教えるよ。」
「そっか、とりあえず会ってみないことにはわかんないもんね」
「そうそう、気楽にいこー。実家なんだよ？」
「だね(笑)」
.
「ついたー！」
「え？ここ？」
なんだこりゃ。私が住んでた頃の実家は跡形もなくて、ただただでっかい洋館が建っていた。
想像の何倍だ、こりゃ・・・。
「ただいまー！」
呆然と建物を眺めている私をよそにスタスタと玄関を入っていくラウ。
「おかえりー！ラウ、早かったなぁ！
で、Aちゃんは？」
名前を呼ばれてハッとし、慌てて玄関に入ると人懐っこい笑顔で迎え入れてくれた関西弁の人がいた。
「Aちゃん！この人は向井康二くん！カフェで働いてくれてるんだ！」
「あ、今日からよろしくお願いします。Aです。」
「よろしゅうなー。ここではなんやから中入りー」
「おじゃしま・・・ただいま？」
「「はい、おかえりー」」
.
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作者名：kazu | 作成日時：2023年2月8日 16時
