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「あれ？Aさん？」
「蓮くん・・・」
振り向くと蓮くんがいた。蓮くんの顔を見た瞬間気が緩んだのか眩暈がしてふらついた。
「あぶなっ」
咄嗟に蓮くんが支えてくれて近くのベンチに座らせてくれた。
「蓮くんごめんなさい」
「・・・ちょっと待ってて」
しばらくすると蓮くんがお水を持ってきてくれた。
駅のお姉さんといい、どれだけ人に迷惑かけてんだ私は。
「ごめんね、お水ありがとう」
「どうしたんすか？体調良くない？少しここで休んで帰りましょうか」
「蓮くん何か用事とかあるでしょう？私は大丈夫だから」
「いやいやいや、ここで置いてくの普通にありえないでしょ」
「ごめん・・・」
「何かあった？聞いてもいい感じ？」
「聞かないでくれると嬉しい感じ・・・」
「・・・・・・。」
頭を優しくぽんぽんとされ、
「俺、ラウールと仕事で仲良くなってよくAさんの話聞いてたんすよ。"Aちゃん、すっごく頑張り屋さんで俺の面倒ずっとみてくれてたんだ"って。だから両親が不在の時でも寂しくなかったって。でも同時に弱音を吐かないから大丈夫か逆に心配になるって。社会人になって忙しくなって無理してないか、休めてるのか。連絡しても大丈夫だよって言わせちゃう気がして中々出来なかったって。今回実家戻ってきてくれてすごく喜んでるんすよラウール。今度は俺がそばについて守ってあげたいって」
「ラウがそんな事・・・いつも明るくて元気をもらってたのは私の方なのに」
「舘さん風にいうと"愛だね、愛"(笑)ま、ラウールが頼りなかったら俺を頼って？」
顔を覗きこみながら微笑んだ。
「ありがとう、なんか元気でた」
じゃあ帰ろうか、と私の頭をぽんぽんとしながら立ちあがった。
「今日の舘さんのごはん、なにかなー？」
「あ、今日私いらないって言っちゃったから」
食欲もないし、ちょうどよかったかな。なんて思ってると既に涼太くんに連絡してくれていて
「今日はおでんだってー」
いらないって言っちゃったのに申し訳なくてお酒とおつまみを買って帰った。
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作者名：kazu | 作成日時：2023年2月8日 16時
