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Anemone . 25 ページ25

ホソクさんは言った。


HK「まだTOKYOにいた時。

…俺らは力が欲しかった。

敵を一人残らず殺せるような、強い力。

どうしても強くならなきゃいけなかった。

独り、だったから。

認められることだけが生き甲斐だった。

そんな時に、TOKYOの中の、ほんのごく一部の幹部に薬が流れた。

"オグルボン"っていうやつ。

その薬は、見た目は普通の飴だった。

でも効果も代償も大きいもの。

オグルボンはとんでもない力を得ることができる。

ただ、その力を制御できる器でなければオーガになって暴走してしまう。

そして、TOKYOの人に暗殺される。

…危険な綱渡りだった。

だけど俺達はそれを飲んだ。

今でも思い出す。

心臓が破裂しそうだった。

目がとび出るかと思った。

血管は膨れて切れるかもしれなかった。

死にそうなくらい痛かった。

…それでも、俺らは耐えることができた。

憎かった。親がいて、愛されている人が。

独りの俺達には到底分からない "愛" を持っている人が。

…その時は知らなかった。

幹部の人たちも情報が無かっただろうね。

飲んだ時は耐えることができても、

そうだな…3ヶ月に1回くらいかな、24時間オーガになる日がある。

その時の欲は耐えることができないんだ。

人を殺したい、人肉が食べたい、

幸せそうな奴が憎くてたまらない。

だからどうにかして抑えないといけなかった。

BTSを殺してしまわないように。

だから、俺達はオグルボンを作った奴の所に行って制御する薬を作ってもらうよう頼んだ。

まぁそれは成功、おかげで大分マシになった。

…人を殺したいっていうのは治まったし、

人肉が食べたいっていうのもほとんどない。

…だけど、血が飲みたくなる。

前よりはマシなんだ。さすがにゼロには出来なかったから。

…オーガになった日は部屋に閉じこもる。

BTSを傷つけてしまわないように。

あー…で、BTSができた理由。

それは簡単だった。

オグルボンを飲んだ出来損ないの集まり。

ただそれだけ。

…だけどいつしか俺らは仲間になった。

今じゃ7人でひとつ。

………なのに、」


ホソクさんは私を見た。

冷めた目だった。


HK「君が来たせいで元のメンバーはみんなどっか行っちゃった」


そうやって言って口角をあげた。

笑顔だ。昨日と同じ。

不気味でもなんでもない、楽しそうな顔。


HK「…君って幸せだよね。

君の親も、育てた人も、君を愛してた。」


…あぁ、この感情を、私は知っている気がする。

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りお(プロフ) - 私も、明日テストですよ!いっしょですね! (2018年11月28日 21時) (レス) id: 610d527ce2 (このIDを非表示/違反報告)
飴薬(プロフ) - ゆんぎらぶさん» 嬉しいです!ありがとうございます! (2018年10月27日 22時) (レス) id: 158d4b0e37 (このIDを非表示/違反報告)
ゆんぎらぶ - このピョンテな感じ大好きです!!更新ふぁいてぃんです!! (2018年10月27日 22時) (レス) id: 8bf3196fdf (このIDを非表示/違反報告)
LOSETY(プロフ) - ちあさん» ありがとうございます!頑張ります! (2018年10月24日 5時) (レス) id: 158d4b0e37 (このIDを非表示/違反報告)
ちあ - 本当に面白いです!楽しみにしてまーす。更新頑張ってください!! (2018年10月24日 0時) (レス) id: 4a9056ee7c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:飴薬 (Shiyaku) | 作成日時:2018年10月15日 18時

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