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「きゃーーーーーーー!?」
教室中に響き渡る悲鳴。
私はそれを聴きながら笑った。
人気ね、私たちのクラス。
少し満足げに心の中で勝ち誇ると、一緒に受付をしている神田君に脇をつつかれた。
「顔に出てるよ」
「え!?
嘘!?」
「当てて見せようか。
『私たちのクラスが一番人気だなあ』」
「当たってる」
「ほらね」
「こらっ
そこいちゃいちゃしない!」
急に私たちの会話に割り込んできた声は、明日香のものだった。
「明日香。どうしたの?」
「んふふー、邪魔しにきたんだよ!
イチャイチャしやがってこのバカップル!」
「僕たちはバカじゃないよ、だからバカップルじゃない」
「そういうところがバカなのよ!」
明日香の遠慮容赦ない指摘に神田君は少しぐさっときたようだ。
「ちょっとやめてよ、傷つきやすいんだから。
ガラス細工なのよ、ハートが」
「ちょっと真桜、それにもぐさっとやられたんだけど!」
「え、ごめんごめん」
「ダメじゃん、ぐさっとやってんじゃん、真桜だって」
「失敗失敗、今度は間違えないからね」
あんなにスリル満点だった龍樹との日常は遠い日のものとなり、今の私の日常は、平凡だ。
それでもその平凡さが心地よかった。
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かぷりちお - コメントありがとうございます!亀更新ですが、完結は必ずしますので、気長に読んでくださると嬉しいです! (2018年8月24日 2時) (レス) id: 0810d4d9bb (このIDを非表示/違反報告)
G - 続き気になる (2018年8月22日 16時) (レス) id: cad32de435 (このIDを非表示/違反報告)
あいり - 続き書かれる予定はありますか、、、?設定が面白いので思わず読み入ってしまいました笑 (2018年8月22日 11時) (レス) id: 5cff57e74b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かぷりちお | 作成日時:2018年6月27日 19時