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真桜side

龍樹が引っ越してから半年が経った。



それは同時に、私と神田君が付き合いだして5ヶ月が経ったということだ。



もう悲しさも、悔しさも乗り越えた。



今、私のそばにいるのは神田君なのだ。



2人で廊下を歩いているといつもたくさんの視線に晒される。



私たちが、同学年からも上級生からも、憧れのカップルと思われていることは知っている。


なんとなくいい気分だな。


「真桜」

そう呼ばれることにまだ慣れていない。


「なに?」


「明日のHRの議題なんだけど、来週の文化祭について」


「ああ、お化け屋敷の遮光カーテンね」



「三日間の貸し出し料金が七千円だった」



「予算内に収まりそうね」

うん、と神田君が頷く。

「ギリギリになったねえ、全部の用意ができるの」



「いいと思うよ、僕は」


「そう?
ならよかった」



私たちは廊下を歩く。



私の横を神田君が、神田君の横を私が歩く。



それはいつしか当たり前のことになっていた。



なんでだろう。



龍樹の隣にいた時とは違う感情。



だけどそれは案外心地よくて、離したくないとすら思い始めていた。



初めは好きになりたい、と思っていたのだけれど。



私はいつしか、神田君に恋をしていたのだろう。




そして、私は知らなかった。




私の龍樹への想いが終わったわけではないことを。




その想いを捨てたのではなく、秘めているだけだということを。

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設定タグ:恋愛 , ヤンキー , 幼馴染   
作品ジャンル:恋愛, オリジナル作品
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かぷりちお - コメントありがとうございます!亀更新ですが、完結は必ずしますので、気長に読んでくださると嬉しいです! (2018年8月24日 2時) (レス) id: 0810d4d9bb (このIDを非表示/違反報告)
G - 続き気になる (2018年8月22日 16時) (レス) id: cad32de435 (このIDを非表示/違反報告)
あいり - 続き書かれる予定はありますか、、、?設定が面白いので思わず読み入ってしまいました笑 (2018年8月22日 11時) (レス) id: 5cff57e74b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かぷりちお | 作成日時:2018年6月27日 19時

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