【ONE PIECE】レストランオパール営業中 (ページ36)

今日:140 hit、昨日:173 hit、合計:536,870 hit

番外編２ページ36

薙切えりなside

私は薙切えりな
遠月学園総帥薙切仙座衛門の孫にして
遠月十傑第１０席に座する料理の天才

まさにエリート中のエリート

そして《神の舌》を有し
数々の企業、レストランの味見役を担っており、私が不味いといえば永遠とそのレッテルが貼り続ける

どんな料理も一口食しただけで
どんな調味料を使ったか、どのような調理工程だったのかも瞬時にわかるほど冴えている

なのに......

それなのに......

私は今"とある人物"の調理実習室に赴いている
その人を一言で表すとすれば"奇跡"が当てはまるだろう

なんと言っても彼の生み出す調味料は奇跡そのもの
私も幾重も彼の作った調味料を模倣しようと試行錯誤を重ねるも、未だ成功という二文字は程遠い

そしてつい最近彼が何やら《調味料の究極》と言うものを産み出した
どんな料理にも適応し、必ず美味な皿にする超万能調味料

しかし、その万能さ故に爆発的な旨味が食材本来の旨味を上書きしてしまうため、それでは料理の意味がないとお爺様が作り方とともに封印した

だけど、私は諦め切れなかった
私以外の誰かが禁断の調味料を産み出したことに
だから、意地でも調味料を分析し同じものを造ってみせると決心した

コンコン

『はい』

えり「失礼します。薙切えりなです。実は、また尽きてしまいまして。つきましては、その......」

『あー、はいはいちょっとお待ち下さい』

彼は私から瓶を受け取ると、部屋に戻った
ドアの隙間から見える調理室は何処もかしこも調味料やソースばかり

壁にはレシピや分量が書かれた紙が貼り付けられている
目を凝らしてそのレシピを見る
彼のソースや調味料は学園内だけじゃなく世界でも配合の成功例はない。機械ですら辿り着けないほどだ

そのソースや調味料の配合を記したレシピが目の前にある
見ずにはいられないのだ
これは云わばカンニングだが、時としてプライドを捨てることも大事なのだと自分に言い聞かせる

えり「......えっと、砂糖...６g？８gかしら...遠くてよく見えないわね」

『お待たせー』

彼が奥の部屋から出てきたので、大慌てでドアから離れた

『はい、それにしても薙切さんは研究熱心だね。このソースを模倣しようなんて。どうせ時間の無駄なんだから他のことに費やせばいいのに～』

えり「ご忠告痛み入ります。それでは」

私は久遠さんが見えなくなってから走り出した
いち早くこのソースの秘密を暴くために