Tonight, tonight.

働きマン、まかりとおる ページ48

「さて―。それじゃこっちも撤収作業にかかりますかね！」


こちらはついさっきまで招待客たちがもてなされていた会場。
イベントの締めとして、1時間ほどの立食式のバンケットの席が設けられてたけど。
あれだけいたウン百人っていう招待客たちも、もうじきハケそうなところだった。


それは、これを以てしてこのイベントがホントに終わってくれたということでもあり。
私はというと〜最初にここで動き回ってたときに着用してた汗まみれのT-シャツに着替え直して。
それだったらと、靴ももうラクなものに履き替えていた。


そういやさっき。
SJのマネージャーさんが、控え室のほうで大変な荷物を運び出そうとしてたから。
ラクチンな格好に着替えついでに少しだけお手伝いした。


だけど車に載せるまでは大丈夫って、入り口付近でやんわり留められて。
「外寒いですから。ここからはアイツら本人たちにやらせます＾＾」ってね。
へぇ〜こういうのも普段から自分たちでやるもんなのかしら？
でもつまりは、彼らもようやくお疲れさまってことか。


それにしても―


「ｷﾑ・ｼﾞｮﾝｳﾝくん、か・・・」


特別ゲストにSJってのは聞いてたから、彼がいるってことはもちろんわかっていたけど。
まさかああして話ができるとは思ってなかったから・・・驚いたよねぇ、今日は。


芸能人オーラバリバリで、ステージではあれだけの歌声を披露してくれたってのに。
ｼﾞｮﾝｳﾝくんのどこか不思議な空気は―あのころと全然変わってなかった気がする。
なんかちょっとホントに・・・懐かしかった。


これから会える機会なんて―きっともう、そうそう無いだろうし。
今日だって〜色んなことでバタバタしちゃったから、挨拶らしいものもできなさそうだけど。
貴重な機会をくれた課長には感謝しなきゃかも。


これからはテレビなんかでSJを見かけるたびに。
今日の仕事のことやｼﾞｮﾝｳﾝくんを思い出しそう。
って、私ほとんどテレビ見ないんだけど・・・(笑)


でもま。
とりあえず、は。


「Aｵﾝﾆ〜〜！お客さんたち、全員出たようです！」

「オッケー。お見送りご苦労さま。ジョア！」

「私も着替えて、こっち手伝いますね＾＾」


最後までいい気分でこのイベントを終われるように。
帰ったら美味しいお酒が飲めて。
ベッドに潜るころには、今日も一日頑張ったって充足感に満ちていられるように。


私たちのお仕事ももうひと踏ん張りってとこだね。

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