Tonight, tonight.

ヘイ・ブラザー2-KH ページ47

LT「感じいい子だったよなぁ〜。ワインこぼしちゃったのなんかはおいといても」


全く悪気は無いんだろうけど。
うちのリーダーが、こっちの腹が立ちそうな言い方でAさんのことを言っている。
しかも彼女がｲｪｿﾝﾋｮﾝと同い年―自分より年下だとわかってか、どこか馴れ馴れしい。


こういうのって、別に僕らの間じゃ珍しいことじゃないんだけどさ。
僕たちってどうしてもヤローだらけの大人数。
仕事の場だろうがなんだろうが「ちょっといいな」って思えるような目立つ女の人がいたら。
メンバーの誰かしらは沸いてたりする。


だけど今日に関しては。
ﾄｩｷﾞﾋｮﾝが知りたがっているものを、ﾋｮﾝ以上に知りたいと思ってるのは。
自分自身ちょっと驚いているけど―この僕で。


KH「ｲｪｿﾝﾋｮﾝ」

YS「なんだ。もう一度言うが・・・Aの連絡先なら知らないぞ」

KH「じゃあAさんの家がクリーニング店だってのは？
同じ高校の出身てことは、同じ地方出身でしょう」

YS「んーー？・・・どうだったかな」

KH「チッ！さっきから肝心なことは何も知らないんですね、アンタ」

YS「こ、こら。なんだその口の利き方は・・・さすがに怒るぞ；」


って、ﾄｩｷﾞﾋｮﾝの背に隠れながら言われてもね。
もっとも〜今日のｲｪｿﾝﾋｮﾝはいつもより気が長いというか、寛容だ。


とはいえ、実のところ。
マジでキレると誰よりもおっかなくて手がつけられなくなるのがこの人だから。
僕もｲｪｿﾝﾋｮﾝを挑発するのはこのぐらいにしとく。


そんなとき。


EH「あ、誰かの電話鳴ってね？」

LT「んっ、僕のだ。はい・・・ああ、ﾏﾈﾋｮﾝ？」


背中に引っついてたｲｪｿﾝﾋｮﾝを邪魔そうに振り払って。
ﾄｩｷﾞﾋｮﾝが、ﾏﾈﾋｮﾝかららしき電話に応じている。
そのやり取りはごく短く済んだようで―


LT「みんな、そろそろ撤収するぞー！衣装ケースの運搬あるから手伝えってさ」

EH「はーい」

SD「あーーたくさん食ったからもう満足＾＾」

YS「なっ・・・？！俺まだひとくちも手をつけてないぞ！」

RW「ﾋｮﾝがのんびりしてるから悪いんでしょ」


そんなわけで。
僕たちもうここを離れる時間なんだってさ。


だから。


KH「・・・はぁ」


僕はため息とともに、もろもろのことを諦めて。
さっきの件もこれ以上こだわらないことにした。
だってそうするしかないじゃないか。


僕自ら、彼女を追いかければ良かった？
だけどそういうの僕―慣れてないんだ。

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