QK高校生徒会執行部 2

Episode71 ページ36

結局、このまま伊沢の家に泊まることになった山本たちはそのまま夜ご飯をご馳走になり、服は伊沢の持っているものを着たが下着は伊沢の金で買ってもらう運びとなった。


「ありがとうございます、買って貰っちゃって」


「何言ってんの感謝することないんだよ山本、伊沢が無理矢理今日泊まっていけって言ったんだから」


山本と伊沢には身長差がかなりあるため、どうしても服を借りるにもぼたついてしまう。なら軽い寝間着も買ってこようかと伊沢が切り出すも、さすがに申し訳なくそれは丁重にお断りをした。


「じゃー、就寝時間まで勉強します？」


「え！何でだよ枕投げにお喋り大会だろ」


「何のために伊沢ん家来たと思ってんの！」


「来てそうそうアイスねだったお前らには言われたくねー！」


あの時は疲れてたからだけど、実際テスト勉強しなきゃだろ俺たち、とカバンからノートを取りだした須貝の背中を、伊沢は枕で思いっきり殴った。

深夜テンションなのか通常なのか定かではないが、その目はキラキラと輝いていて妙に顔もワクワクしている。


「って！お前！枕でも本気で投げると凶器なんだからな！！」


煽られたら乗る男、須貝。見事に伊沢の挑発に乗り、枕を掴んで投げ返す。


「痛！ちょっと須貝さん！俺に当てないでくださいよ！元野球部でしょ！」


「あら、福良さんすまん！おらっ！」


「ぎゃ！ちょっと須貝さん俺にも当てないでください！」


須貝が力任せにボカボカと枕を投げるものだから、あちらこちらに二次被害だ。いつのまにか山本とこうちゃんは爆笑しながら参加しているし、福良は部屋のどこにいても枕が飛んでくるため必死に避けている。
川上はどうやら早く布団に入って寝たいようだが、枕がないためどうしようもなくキョロキョロしているし、河村にいたってはニヤニヤしながら熱戦の様子をムービーに撮っていた。


「あ"ーもー、また汗かいただろ伊沢のせいで！」


「す、須貝さんコントロール悪すぎじゃないすかw」


「まじやるなら勝手にやってよ！なんでこっちが被害受けなきゃならないの！」


「てか、早く枕返してください…」


散々枕を投げ合って、まるで全力でスポーツをした後のようにみんな息を切らしていた。とてもじゃないが寝る直前の人達とは思えない。まるで某アイドルグループV〇の修学旅行状態だ。


「こ、今回はこれくらいにしといてやるよ…」


完全に疲れきった須貝のその一言で、この枕投げは終戦を迎えたのだった。

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