QK高校生徒会執行部 2

Episode60.5 - the first volume ページ13

山本さんお誕生日おめでとうございます！

ということで、QK高校生徒会執行部特別番外編を執筆しました。お楽しみいただけたら幸いです。
(時系列は深く考えないで下さい…)

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「おはよーごさいます」


朝、まだ早い時間帯。
グラウンドからは部活の朝練に励んでいる生徒の声が聞こえてくる中、こうちゃんは生徒会室の扉を開けた。


「こうちゃんじゃん。おはよう」


「あれ、俺予定間違えて教えちゃったっけ」


「いえ、ちょっと昨日大事な書類忘れちゃって。それを取りに来ただけです」


そう言ってこうちゃんはお目当ての書類を机の脇に見つけると、よかった、あったと言ってその手に取った。


「てか、先輩たちもどうしてこんな朝早く皆で集まってるんですか？」


生徒会室には、山本とこうちゃんを除く全てのメンバーが揃っていた。こうちゃんとしては、誰もいなくて鍵が閉まってたらどうしようなんて不安を抱えてやって来て、一人二人いたらラッキーくらいの気持ちだったのだが、まさかこんなに揃っているのには正直驚きだった。


「ああ、ちょっと二年だけで共有しときたい去年の資料があって」


「え、ごめんなさい入っちゃって大丈夫でしたか？」


「平気平気。もう終わったとこだからさ」


今日も今日とてあくびを噛み殺している伊沢の背中を、しっかりしなさいよ、と須貝がバシッと叩く。
中学時代は野球部だった須貝は、その時の朝練の賜物だろうか、朝にはめっぽう強かった。


「それにしても、こうちゃんが一人で生徒会室にいるのなんか不思議な感じ」


「確かに。いつも山本とセットなイメージがあるからなぁ」


そう言った河村と川上に、みんなうんうんと同意する。
確かに、同じ一年の生徒会役員でしかも同じクラスの二人は一緒に行動することが必然的に多いだろう。

周りから見てもとても仲良く見えるし、こうちゃん自身も山本のことをもはや親友のように思っていた。

そのためか、ハッピーセットだ、なんて笑う伊沢にも全然悪い気はしない。


「休みの日もよく一緒に遊びに行ったりしてるんで」


「へぇそうなんだ。じゃあ今日も遊びに行ったりするの？」


今日は丁度生徒会の活動がない日だ。散々ブラックだなんだと言われている生徒会だが、きちんと休みは設けられている。


「あー今日は行かないです。山本さんの誕生日プレゼント買いに行こうと思って」


「誕生日！？！？」


生徒会室内に、みんなの声が揃って響いた。

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