キ ミ の 特 等 席 【橙】

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る「ただ好きな人が被っただけ…？」

こ「そ。」

る「それでジェルくんには遠井さんって
彼女がいるって、でっち上げた…？」

こ「そ。」

る「自分の邪魔されないように…？」

こ「だからぁ、そうって言ってんじゃん〜」

る「最低ですね。」





そんなの、君から言われなくても
じゅうぶん分かってるつもりなんだけど？

僕が、いかに最低で汚い戦い方してるかなんて
自分が一番わかってるさ。


るぅとくんには分かんない。

あの運命的な出会いと
僕がどれだけ彼女に惚れてるか。



君は知らないんだ。




る「ジェルくんに謝った方がいいですよ？
それか、彼女に遠井さんの件を撤回するか…」

こ「僕がそんなことで謝るわけないし、
撤回なんてするわけないでしょ。」

る「でもぉ…ジェルくん、見てられないです…」

こ「臆病なだけじゃん。」




そうだ、ジェルくんは臆病なだけ。

いくらでも、
弁解の余地はあった。


それでも、怖がってびびって
受け入れてしまったのは本人だ。

そこは僕、悪くなんかない。




る「そんな言い方…あんまりです……」

こ「僕は勝手にさせてもらうよ？
なーくんに伝えといてよ。」

る「えっ…」

こ「僕からは謝らないし、
本気で好きな女の子がいる。ってね。」





何度も何度もチャンスをあげたんだ。

そのチャンスを無下にしたのは、
君だ、ジェルくん。



なんもかんも分かってるんだ。

誰に何を言われようと
自分が一番わかってんの。























彼女の瞳に、

僕が映ってないことくらい。





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