キ ミ の 特 等 席 【橙】

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【side C 】





僕は意地悪だと思う。

彼女の顔を見れば分かる。



ジェルくんを見た時の顔、

ジェルくんの声を聞いた時の顔。



ジェルくんという存在を
認識した時のあの、顔。



紅潮した頬に不自然な笑み。

僕にそんな素振り、したことないのに。




僕は、きっと一目惚れってやつをしたんだと思う。

こんな3人でお茶してる時に
気づくのもあれなんだけどさ。




"遠井さん"




今じゃ有名なヒロインの名前。

ジェルくんが生み出した女の子。

ぜーんぜんジェルくんの彼女なんかじゃない。


けど、僕は意地悪だから…




ジェルくんに彼女がいるっていう風に
仕向けたんだ。

彼も"活動"に関しては、言ってないだろうし。


ちょうどいいと思って。





ジ「そろそろ帰るで」

こ「あ、うん。遠井さんが待ってるもんね！」

ジ「あのなぁ…ごめんなぁ、相川さん。
知らん人の名前ばっか出してもうて…」

『いえ！お気遣いなく…』





僕達はそのまま彼女と別れた。


僕は彼女に恋をしている。

だから、君がちょっとばかり邪魔なんだよね。

ジェルくん。





ジ「なんがしたいんや、今日のやつは。」

こ「んー？別にー？」

ジ「俺らの活動知られたいんか？」

こ「僕は別にいいけどね？」

ジ「あんなぁ…」





こういう時だけ無駄に大人。

僕とは正反対だよね、君って。


だから大人組なのかな？






こ「じゃあ協力してくれる？」

ジ「は…？」

こ「僕とAちゃんをくっつけてよ」





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