Femme Fatale【stxxx】

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【side Satomi】





さ「やる気起きねー」




俺はその日、布団の上でぐぅたらしていた。

俺の周りに群がるネコたちに
癒されながらスマホを弄る。


まぁ、なんていうの、エゴサってやつ。

それをしていると急に画面が切り替わった。


電話だ。


なーくんからの電話だから
なにか重要なことなんかな？なんて思い、

2コール目で電話に出た。





さ「どったの、なーくん。」

な《…》

さ「なーくん？なに？お腹すいてんの？」

な《俺、夢でも見てるんかもしれない。》

さ「……えっと、なーくん？」

な《これは悪い夢なんだ…》





なにかに狼狽える彼の声に、心配で気が気でなかった。

いつも自信満々でみんなを引っ張ってくれるような彼が
今は意気消沈している。


でも、俺も頭が悪いわけではない。

何か嫌な予感はする。





さ「何があったの、言ってよ」

な《……Aが、行方不明になった。》

さ「…………は……？」

な《今ジェルくんからっ…連絡があって……
A、居なくなってたの…家行ってももぬけの殻で…》

さ「…そのこと、ほかのメンバーは？」

な《まだ……》

さ「わかった。俺、ころんに電話するわ。」





そのまま、電話を切って
1度スマホをベッドの上に放り投げる。


Aが……居なくなった？
そんなの、嘘に決まってんじゃん。


あいつは男癖悪いひでー女だったけど…
優しい奴だったんだ…





なんで…なんで何も言わずに
どこかに行くんだよ…





くそっ…！！！






俺は握り締めた拳をベッドに叩きつけ、
ただ、悔やむしか無かった。






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