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_crazy 7 . ページ25

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?「まさか俺を選んでくれるなんてね、A」

『ダメだった?_なーくん。』

な「ぜーんぜん!むしろ嬉しいよ。」





会社の一室でカタカタとキーボードを打つ彼。

彼は会社を立ち上げた社長だ。
まぁこの部屋は所謂、社長室ってやつ。


そんな彼のキーボードの音を聞きながら
私も卒論制作を行う。

締切なんてまだまだ先だけど
早めにやっとくが吉でしょ。





な「何か嫌なことでもあった?」

『え?なんで?』

な「なんとなく。
何かあるんだったら話、聞くよ?」






なーくんは凄い。

先程まで見ていた夢は、限りなく悪夢と言えるものだ。


それすらも感知できる彼は、
それだけ周りを見れているということだ。

流石としか言えない。






『なーくんになら、話してもいいかな。』

な「なんかつらいことでもあったの?」

『……私ね、16歳の時にね、……っ…』






あぁ、言葉が詰まる。

簡単な文章なのに、それを彼に言うだけなのに
なんで言えないんだろう。


喉に何かが詰まったような、そんな感じ。


でも、彼は私の背中をゆっくり撫でて
"大丈夫だよ"と言ってくれた。

きっと、この人のこの優しい声と
安心させる言動に、みんな着いてきてるんだろう。


それは私も例外ではない。



私の過去なんて、私の素性なんて、
これから先誰かに言うこととかなかったと思う。

彼が初めてだ。


誰かに言ってもいいなんて思ったのは。






『私の母はね、亡くなったの…
私が16歳の時に病気で亡くなっちゃったの。』

な「うん」

『病院で夢を見たの。絵本の夢。
性格悪いお姫様と優しい王子様が出てくる絵本。

そのお姫様はね、かなり性格に難ありな子で
王子様なんか、ちっとも迎えに来てくれない。

最後には迎えに来てくれるんだけど、
それはお姫様が性格を改心させたからなの。


その絵本がね、私は大好きで大嫌い。』







だって、そのお姫様。
















私みたいじゃない。






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めあり(プロフ) - ひよこさん» 了解しました!ありがとうございます〜!(*´ω`*) (2021年2月6日 2時) (レス) id: 9f1dd59455 (このIDを非表示/違反報告)
ひよこ - めありさん» 返信遅くなってごめんなさい!!なんとなくですが、日常の出来事だとかのほのぼのしたお話が見たいです!お兄ちゃん大好きな夢主だと嬉しいです…! (2021年2月5日 18時) (レス) id: bfed326696 (このIDを非表示/違反報告)
めあり(プロフ) - ひよこさん» ひよこさん!質問なのですが、リクエストにあたって莉犬くんと夢主さんの兄妹のお話で、どのようなストーリーが希望ですか?大まかなもので大丈夫です! (2021年1月30日 10時) (レス) id: 9f1dd59455 (このIDを非表示/違反報告)
めあり(プロフ) - 常日さん» 最後まで応援ありがとうございました!!神様は恐れ多いですうう(;▽;) (2021年1月24日 9時) (レス) id: 9f1dd59455 (このIDを非表示/違反報告)
常日(プロフ) - 完結おめでとうございます!!やっぱり神様だぁー! (2021年1月24日 4時) (レス) id: 7c647de83f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:めあり | 作成日時:2021年1月10日 4時

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