Femme Fatale【stxxx】

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さとみくんの部屋は、
ころちゃんと違って綺麗だ。


整理整頓された本棚に、
綺麗に並べられた今までのグッズたち。

電気すらもお洒落で
あぁ、大人なんだって分かるほど。



キングサイズのベッドに思いきり押し倒して、
私の唇にかぶりつく、桃色の狼。

いつも余裕ありそうに振る舞う彼は
今はどうやら、余裕が無いらしい。



彼の綺麗で大人っぽい部屋に
私の甘ったるい声が響く。




私の中は彼でいっぱいいっぱいだ。

今は身も心も彼まみれ。

愛を注いでくれる彼に
私は精一杯にしがみつく。






さ「Aっ…」






情熱的に私の名前を呼んでくれる彼の声は
いつもよりも色っぽい。

あぁ、好きだ。

その余裕ない表情が堪らなく好き。



私に堕ちた彼のその表情が、大好きなのだ。






**






さ「水、飲むか？」

『うん、ありがとう』

さ「…可愛かった」

『恥ずかしいからやめてよー』






水が入った透明のグラスを
そっと手渡ししてくる彼。

受け取り、ひとくち口に含む。


彼はかなりこだわりがあるみたい。
水すらも美味しく感じてしまう。

きっと良いブランドのものを、
常日頃飲んでいるんだろう。



あ。そういえば、
ころちゃんに夕飯の連絡してなかったや。

まぁ、特に何か食べたいものってのもないんだけど。






『さとみくーん』

さ「んー？」

『いま何が食べたい気分？』

さ「今？んー…ハンバーグかなー。」

『ふふ、可愛いね。』

さ「うっせ、からかうんじゃねーよ」





頬を赤らめながら、くいっと水を飲む彼を横に
私はころちゃんに連絡する。







A今日夕飯、ハンバーグがいいなぁ








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