Femme Fatale【stxxx】

＿crazy 4 . ページ14

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ふぅ…


火照った素肌に涼しい夜風が当たって
気持ちがいい。


ベランダに出て、私はグラスに注がれた水を
ちまちまと飲む。


彼の部屋から見える景色は、まぁ綺麗だ。

私の家から見える景色とは大違い。
羨ましいものだ。

私もここに住めば、この景色は
全て私のものになるのだろうけど……



そんなの真っ平ごめん。




ちらりと部屋の方に目をやれば
泣き疲れたのか、なにで疲れたのかは知らないけど

可愛い寝顔の彼は、夢の中らしい。




今日のころちゃんは優しかった。

壊れ物を扱うように
優しく私に触れてくれた。



それも彼のいいところだ。




水をひとくち飲めば、
私はスマホを開いては器用に指を滑らせ、

彼に電話をかける。


きっと、彼も待っていただろう。

私からの電話を。





『もしもし、ジェルくん』

ジ《あ、A。折り返しありがとな。》

『ごめんね〜』

ジ《今ころんの家やんな？》

『うん、そうだよ？』

ジ《……してたん？》






あはは、直球だなぁ。

彼のこういうストレートなところが
たまらなく好きだ。

包み隠さず私に言ってくれる彼。

私に笑顔をくれる彼。



誰よりもメンバー思いで
誰よりも私を見てくれる彼。



そういう部分は、好きなんだよね。






『ふふ、まさか。ご飯とお風呂済ませてただけだよ。』

ジ《そうなんや、恥ずかしい勘違いしてもうたやんかw》

『ほんとだよー、私そんなに安い女じゃないよー』

















嘘なんて沢山吐いた。

何回も何回も、貴方たちを騙した。






そんな私は、"安い女"だよ。






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