な組の若頭 ２【stxxx】

. ページ45

.





茶の間に着くと、
既にほかの組員は揃っていた。


眠たいから早く終わらせてよね…

なんて思いながら、なーくんの顔を見ると
ちょうど目が合った。


焦ったような表情のなーくん。

嫌な予感がした。






「ごめんね、いきなり集めちゃって。」

「ええよ、なーくん。どうしたん？」

「……帰ってきたみたい。」

「ん？誰が？」

「A…心して聞いてね。」

『わたし？』





なーくんが何故そういったのか、
この時の私は理解が出来なくて。


なーくんの発した次の言葉で
私は全てを理解した。




聞きたくない言葉。

聞きたくない名前。



おぞましくて、怖くて、



憎い言葉だった。













「"魔組"が……帰ってきた。」






**






話し合いの後、私は部屋に閉じこもった。



みんなは何が何だか分からない顔をしていた。

それもそうだ。


私の過去なんて、
なーくんぐらいにしか教えてないんだから。





「A、入るよ。」





襖を開けて入ってきたのは、なーくん。

優しい声と優しい笑顔の彼は
私の横に座っては、私の頭を撫でた。






「電気くらいつけなよ」

『……ごめん、なーくん…取り乱して……』

「そうなるって分かってたから。
俺もついさっき入った情報に驚いちゃって…」

『……そっか。』

「A、やっとだね。」

『うん…そうね。』





















やっと、


私の野望が果たせる時が来た。






.

◇ お知らせ→←.

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す