愛され娘【黒の組織】

1話 出会い ページ2

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ジンside

───とある雨の日のこと




「チッ……派手にやられたな」

撃たれた肩を庇いながら路地裏に向かう



……とりあえずウォッカに迎えを頼むか

そういい携帯を取り出す

「…俺だ。迎えを頼む。あぁ──」


……迎えも頼んだことだし一休みするとするか


近くにあった壁に寄りかかり目を閉じる




しかししばらくすると何処からか子供の声が聞こえてきた



チッ……めんどくせぇな

子供に見つからないように隠れようとするジン


しかし同時にあることに気がついた

「……？この箱から聞こえねぇか？」

そういうジンの目線の先には小さなダンボールがひとつ

「……まさかな」

と半信半疑ながら箱を開ける

しかしそのまさか……箱の中には小さな赤ん坊がいた




「………は？」

あまりの衝撃に言葉を失うジンニキ



どういうことだ？迷子か？いや……それは無い。今は夜中、ましてやこのガキがひとりで歩けるはずもない。んじゃあ、こいつは捨て子か？…てか今冬だぞ？こんな寒い服装で大丈夫なのか？

混乱のあまり一気に疑問が溢れ出す


………とりあえずこいつを黙らせるか。泣いているガキはうるさくて嫌いだ


そう思い箱の中にいた赤ん坊をヒョイと軽々しく持ち上げる


「チッ…軽いな……大丈夫か？さっさと泣きやめ」

ジンの思いとは逆に泣き出す赤ん坊



すると

ｳｫｯｶ「……兄貴？何ですかい？それは……」

「…ウォッカ来たか。こいつはな……」

ｳｫｯｶ「あ、兄貴！？隠し子ですかい！？一大事だ！！」


……コイツ…俺の言葉をさえぎりやがって

まぁ、いい。こいつが泣きやめば問題は無い


「ウォッカ…命令だ。こいつを泣き止ませろ。運転は俺がやる」

ｳｫｯｶ「つ、連れて帰るんですかい！？…それに兄貴…怪我してるんじゃあ」


「チッ…うるせぇな。さっさと行くぞ」

そう言い運転席に座る


ｳｫｯｶ「こ…こいつ泣きやみませんぜ！」

「うるせぇ！それを何とかするのがてめぇの仕事だ！！」

ｳｫｯｶ「(そ、そんなぁ！)」



ジンside終了





しばらくして無事にアジトに着いた2人…いや、3人

アジトについても尚泣いている赤ん坊


その声を聞き付けたのかベルモットがやってくる


ﾍﾞﾙ「ちょっと！何よその子！！」

ｼﾞﾝ「……」

ｳｫｯｶ「兄貴の隠し子でして…」

ｼﾞﾝ「おい…何勝手なこと言いやがる。こいつは道に落ちてたんだ」

ｳｫｯｶ「そうだったんですかい！？俺はてっきり……」


ﾍﾞﾙ「あらそうなの？じゃあ、私たちで育てましょう！」




こうして、黒の組織の一員となったAだった

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