第八十一話 ページ1
ut視点
グルちゃんが僕に気を取られている隙に、草むらに隠れていたトン氏が飛び込む。
グルちゃんはそれに気づかなかったようで……
ガキイィィィィィ……ン!!!
グルちゃんの双剣は、トン氏によって手から剣を弾き飛ばされた。
その反動でグルちゃんの体は後傾し、倒れそうになる。グルちゃんは何が起こったのか分からないようで、目を丸くしてトン氏を見る。
その隙にトン氏は一気にグルちゃんに詰め寄り……
tn「……ええ加減にせぇ!!!」
ゴッ!!!
額どうしがぶつかる、鈍い音が響く。
トン氏の石頭がグルちゃんに直撃し、グルちゃんは倒れてしまった。
tn「……フン。」
zm「あ〜クッソ!もうちょっとやってんけどなぁ〜!!」
ゾムは木の上から飛び降りて悔しそうにぼやく。
tn「はぇ〜、ゾムが当てる気満々だったんだよなぁ。」
zm「当たり前なんだよなぁww」
ut「いやトン氏だって"死んでどうぞ"って言うてもうてたやん。」
tn「さぁ?ナンノコトカナー?(高音)」
俺達がどんなに騒がしくしても、グルちゃんはのびたまま微動だにしない。
でも大丈夫。きっと夢から目覚めた頃には……
いつもの僕らの"総統"に戻っている___。
〜〜〜
gr視点
…………ここは、どこだ?
……真っ暗で、何も見えない。
ゴポポッ……。
息を吐くと、空気は泡になって浮かんでいく。
なるほど、ここはどうやら水の中らしい。
だが、息は出来るようだ……不思議な空間だ…。
俺はゆっくりと暗い暗い水の底に沈んでいく。
……俺はなぜ、こんな所にいる?
………………あぁ。きっと、
俺はまた、独りになったんだな。
今回の作戦で俺は、大切な国民を"囮"にした。
俺を信じてついてきてくれていたのに……それを裏切った。あいつらに甘え、さらに戦争に巻き込んで危険に晒した。……怪我をしてしまった奴もいるかもしれない。
守るべき国民のはずなのに…………。
俺は、総統失格だ。
幹部達にも、合わせる顔がない。
俺は膝を抱えて、目を閉じる。
……閉じる時、目から溢れた雫は水に同化して、どれが涙か分からなくなった。
もう誰も、俺を探さないでくれ_____。
ふわっ……。
……?
暖かい……これは…………?
目を開くと、目の前にあったのは……
淡く光る3つの球体のようなものだった。
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ひよこ。(プロフ) - 約3年ぶりにこの作品を読ませて頂きました。本当に面白くて主ちゃんもtn氏も可愛くてかっこよくて、我々国内の信頼度の高さやいろんな面の強さに感動!興奮!でした!!!本当に過去一大好きな軍パロです! (2023年2月23日 21時) (レス) id: 852489ddeb (このIDを非表示/違反報告)
ねこ(プロフ) - 大先生.......!!!!切ねえ!そういうの大好きです!!楽しく読ませて頂きました、ありがとうございました! (2021年2月9日 13時) (レス) id: 0e99721aee (このIDを非表示/違反報告)
わんぱん - 一気読みしてきました!めっちゃ面白かったです!本編は勿論番外編のcino君の強者ムーブ面白かったです。素敵な作品ご馳走様でした*\(^o^)/* (2020年8月20日 16時) (レス) id: b542029aeb (このIDを非表示/違反報告)
ムノ - 私この作品見ながら夜中ずっと悶てるんですけどただの変人(元から)なんですけどヤバいトントンさんと夢主さんの両片思いなとことか国民とか国民とか国民とかが好き過ぎて辛い、好きです(唐突な告白) (2020年4月10日 0時) (レス) id: 979b6668ec (このIDを非表示/違反報告)
外ピ - 俺になるの最高に可愛いですありがとうございます。最後!niさん!もう、本当に、心臓が止まりました。なんてかっこいいの...この作品に1番ぴったりなのは、人生の主役は我々だっていう感じがします。とても長くなってしまいましたが最後に1つ。キャートントンステーキ (2020年3月6日 4時) (レス) id: 6c3752b497 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まるまるのし | 作成日時:2019年4月22日 20時